地域の子どもが調理から接客まで全てを担当する「こどもgaカフェ」

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「こどもgaカフェ」は、地域の子どもたちが有料老人ホームで調理から接客までを行い、カフェを運営するイベントです。対象は、小学3年生〜中学3年生の地域の子どもたち。
参加する子どもたちにとって、仕事体験を通して自己肯定感を高める、潜在的な力を伸ばす、異なる世代と交流するなどの良い機会となります。また、当イベントが、さまざまな環境にある子どもたちにとって、家庭や学校とは異なる第三の居場所にもなる点も大きな特徴です。
もちろんご入居者様にとっても、子どもと接することが楽しみや生きがいにつながります。

今回は、「こどもgaカフェ」の取り組みに関わる業務管理室の河端さん、合田さん、舟久保さん、今回イベントが開催されたチャーム尼崎東園田で統括リーダーを務める田中さんにインタビューをしました。

※以前、河端さんと合田さんにお話を伺ったヤングケアラー支援に関する記事はこちら!

きっかけは尼崎市のスクールソーシャルワーカーさんとの出会い

――まずは、「こどもgaカフェ」イベントの企画をすることになったきっかけについて教えていただけますか。

河端:
尼崎市の教育委員会でスクールソーシャルワーカーを務める、黒光さおりさんとの出会いがきっかけです。
黒光さんは、市内の小中学校のヤングケアラーに対してさまざまな活動を通して支援を行なっています。

兵庫県で開催されたシンポジウムで黒光さんがお話しされている内容を聞いて、黒光さんがやっている活動をチャームケアでも取り入れられるといいなと感じたんです。私から「チャームケアと一緒に何かできないか」とお声かけをさせていただき、今回のイベントが実現しました。

合田:
2023年2月に第1回目のカフェイベントを開催し、その後も2ヶ月に1度のペースで定期開催しています。先日4月の開催を終え、今度は6月に第3回目を開催する予定です。

第1回目は、10数名の子どもたちが参加してくれました。黒光さんのご協力もあり、地域のたくさんの子どもたちに参加してもらえました。
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さまざまなスタッフの協力を得て開催されたイベント

――社外の方や本社、現場スタッフなどさまざまな方が関わる今回のイベント。どのように準備を進め、当日を迎えたか教えてください。

合田:
イベントの準備は、さまざまなスタッフの協力を得て進めました。自ら「活動に協力したい」と手を挙げてくれた総務室の永田さんには、イベントのポスターを作成していただいた他、当日にもご参加くださいましたね。

舟久保:
私はメニュー作成を担当しました。主催者の黒光さんがメニューを考案してくださったので、いただいたアイディアからご入居者様が召し上がれるものを選んだり、食べやすいように調整したりしました。

河端:
本当に皆さんの協力があって開催できているイベントです。大勢でスイーツを作るには、材料や調理器具など準備するものがたくさんあるんです。
厨房に入られている給食業者さんの調理スタッフにも協力してもらいながら、打ち合わせを重ねて段取りを綿密に決めていきました。

今回、尼崎市のスクールソーシャルワーカーさんからのお話だったため、イベントは市内にあるチャーム尼崎東園田で開催することになりました。ホームの統括リーダーである田中さんには、主に会場の事前準備とご入居者様へのご案内をしていただきました。
イベント当日は、私たち本社メンバーももちろん参加しますが、ご入居者様のことをよく理解している現場スタッフにも対応してもらう必要があり、その連携もなかなか大変でしたね。

田中:
イベント当日、教育研修室の福本さんも自ら手をあげて、手伝いにきてくれたんです。福本さんは、本社の教育研修室に異動する前、尼崎東園田の介護リーダーをしてくれていたので、ご入居者様のことも把握してくれていたので本当に助かりました!
ご入居者様も「久しぶりやね」「元気にしてた?」と再会を喜んでくださいましたよ。

※総務課の永田さんは、チャームケアの魅力を発信する広報誌「チャーム・ケア友の会」を作成するチームでも活躍中です。「チャーム・ケア友の会」について、永田さんを始め運営メンバーにインタビューをした記事はこちら!
※チャーム尼崎東園田でリーダーを経験し、現在は教育研修室で活躍する福本さんの記事はこちら!

ご入居者様から届く嬉しい声の数々

――ご入居者様やご家族様からはどのような反応をいただきますか。

田中:

これまで「こどもgaカフェ」は2回開催してきましたが、ご入居者様から好評をいただいています。ご入居者様全体の3分の1にあたる20名前後のご入居者様にご参加いただきました。

ありがたいことに、みなさんこのイベントをとても楽しみにしていただいています。たくさんの方が一気にお越しいただいたので、お待ちいただく時間が長くなってしまったり、お席がうまく調整できなかったりしてしまったんです。第3回目の開催は、そうした段取りをもう少しスムーズに行うのが目標です。

この2~3年は、コロナの影響もあってなかなかイベントが開催できていませんでした。ご家族様と満足に面会をしていただけない時期もあったんです。そのような中で、ご入居者様のお孫さんやひ孫さんと同世代のお子さんと触れ合えるこのイベントは、ご入居者様にとっても良い機会となっています。
ご入居者様からは、「次の開催はいつ?」「かわいすぎて、このまま連れて帰りたい」「またあの子と会えるかな」などと嬉しいコメントがたくさん届いています。
また、イベントのポスターを見て、ご入居者様のご家族様にもご参加いただけました。

合田:
ちなみに、ご入居者様から子供たちへはお礼の印にプレゼントを渡しています。プレゼントはお菓子なんですが、普段ご入居者様がイオンのネットスーパーでお買い物をして貯まったポイントで購入しているんです。ご入居者様が貯めたポイントを有効活用して購入したプレゼントなので、完全にご入居者様たちからのプレゼントということになります。よい循環ができていると感じますね。
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子どもたちに「第3の居場所」を提供したい

――参加している子どもたちの様子について教えてください。

合田:
参加してくれる子どもたちは、回を重ねるごとに、より積極的に動いてくれるようになっていると感じます。
料理を運んだり、自分ができることを探して行動したりと積極的にさまざまなことに取り組んでくれている姿が印象的です。

河端:
私たちの願いとしては、さまざまな状況にある子どもたちにとって、このイベントが家庭でもなく学校でもない「第3の居場所」として安心して過ごせる場所となっていればいいなと思っているんです。
子どもたちの中には、思うように学校へいけなかったり、家で明るく過ごせなかったりする子もいると思います。このイベントを通して元気になってもらい、普段の生活でも以前より楽しく過ごせるようになってもらえたら嬉しいです。

舟久保:
イベントには、参加してくれている子どもたちの学校の先生や校長先生もきてくださいます。実際に「こんな元気な姿見たことない」とおっしゃっていただいて、学校では見せないような笑顔や行動をみせてくれているようです。

合田:
人の役に立つことが子どもたちの自己肯定感を高める上ですごく大切なようです。ご入居者様に喜んでもらうことに対してすごく喜びを感じ、子どもたち自身が元気になる様子が側で見ていてわかります。
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社内外に活動の輪を広げていきたい

――今後の目標を教えてください。

河端:
もともと、チャームケアのヤングケアラー支援は有志社員で行っています。今後も、固定されたメンバーではなく、活動に取り組んでみたい方に手をあげてもらい、どんどん巻き込んでいきたいです。
今回は尼崎市で行いましたが、兵庫県だけではなく、全国のホームでも同様の取り組みをしてみたいという想いもあります。
また、社内だけでなく、他社にも今後少しずつ活動の輪を広げていきたいですね。

合田:
カフェの開催は、準備など大変な部分も多くありますが、開催当日は本当に楽しくやりがいを感じます。チャームケアの社員たちは人の役に立つことに喜びを感じるタイプの人が多いですし、さまざまな方に経験していただきたいですね。
ゆくゆくは、社内の皆さん誰もが知っているような大きなイベントに成長させていけたらいいなと思っています。

田中:
今後イベントを定期開催していく中で、子どもたちの年齢が上がっていき入れ替わります。同時に、ホームのご入居者様たちも入れ替わりがあるんです。子どもたちにとっても新しい方と接していただくよい機会になるといいですね。
また、ホームの約3分の1の方はイベントに参加してくださっていますが、残りの3分の2のまだイベントにご参加いただけていない方もいらっしゃいます。ポスターなどで宣伝して、今後も参加促進をしていきたいです。
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