コンシェルジュから品質管理へ

――沼倉さんのご経歴をお聞かせください。

チャームケアに入社する前は、航空会社で10年以上勤めた後、医療業界でサービス職と管理職を経験しました。
ご縁があってチャームケアに入社し、しばらくはコンシェルジュとして、ご入居者様のお話を伺いご希望を叶えつつ、介護スタッフの負担を軽減する仕事をしていました。

現在は、首都圏介護事業部に在籍し、サービスの品質管理や、スタッフへの接遇ビジネスマナー研修を行っています。その他にも、イベントの企画や司会、今回のヤングケアラー支援活動となる「こどもgaカフェ」の運営・サポートにも携わっています。

※コンシェルジュ時代の沼倉さんへのインタビュー記事はこちら

お子さまの輝く笑顔に感動し、首都圏での開催を提案

――首都圏で開催されたこどもgaカフェについて、教えてください。

こどもgaカフェは、近畿圏で4年ほど前から始まったヤングケアラー支援活動の一つです。
きっかけは私が近畿に出張に行った際、同じタイミングで開催されたこどもgaカフェに参加したことでした。以前から関心があったので「ぜひお手伝いをさせてください」と、事前に担当者へ連絡を取っていたんです。

参加していたお子さまの笑顔が、あまりにもキラキラと眩しく印象に残ったので、出張から帰るなり「この活動はぜひ首都圏でもやった方が良いです!」と、すぐに上司に報告しました(笑)。

さまざまな準備を経て、自治体とホーム長協力のもと、首都圏では、チャームプレミア山手町で2回開催されました。次は、チャームプレミア御殿山参番館で行われる予定です。

※近畿圏で開催されたこどもgaカフェに関する記事はこちら
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ボランティア募集は参加希望者多数!

――運営しているメンバーは、全員ボランティアだと伺いました。

首都圏の運営メンバーは5人で、完全有志です。みんな自分の仕事を持ちつつ、空いている時間にヤングケアラーの支援を行っています。
ホーム長や、複数のホームを取りまとめる課長、営業職、お食事の担当者など、職種はさまざまです。この活動に専念している人はおらず、皆さん本業を持ちながらですが、活動の理念に共感して集まってくれています。

首都圏でのこどもgaカフェ開催にあたり、お手伝いしてくれるボランティアを募集したところ、予想以上の人数の方が手を挙げてくれたんです。
多くの方が応募してくださったので、今回参加を見送らせていただいた方には、次回開催のタイミングで声をかける予定にしています。

お休みの日に参加していただくにもかかわらず、関心のあるスタッフが多いことにとても驚きました。ホスピタリティ精神があふれた優しいスタッフが多いんだな、と改めて実感しました。介護業界ならではかもしれませんね。

こどもgaカフェは職業体験と世代交流の機会

――こどもgaカフェの当日の流れを教えてください。

参加者は小学生~中学生のお子さまです。まずは、ご入居者様に提供するスイーツを作ってもらいます。準備ができたらカフェ店員になりきってもらい、ご入居者様のドリンクのオーダーを取って、スイーツとドリンクをご入居者様に提供してもらう、という一種のお仕事体験です。

初回は恥ずかしがっていたお子さまも、2回目はご入居者様とたくさんお話ができた、自分から積極的に話しかけられた、と回を追うごとに感覚を掴み、より一層楽しんでいる様子でした。

「高齢者の方と話す機会がない」とも言っていたので、世代交流という意味でも貴重な体験になっています。ご入居者様からすると、参加者のお子さまは、ひ孫くらいの世代になります。「元気の塊だね」「パワーをもらった」と、温かく見守ってくださっています。

イベント当日は、元気すぎて、走り回りそうになるお子さまもいらっしゃったくらいです(笑)。なかには複雑な家庭環境のお子さまもいらっしゃいましたが、明るくキラキラした表情で参加してくださっていたのが印象的でした。

※地産地消を体現するチャームプレミア鎌倉山の活動で沼倉さんへインタビューした記事はこちら
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ヤングケアラーのお子さまとのつながり作りに苦戦

――こどもgaカフェの開催にあたって、大変なことはありましたか。

ヤングケアラーのお子さまとのつながりを持つことに苦労しましたね。ヤングケアラーのお子さまを支援したい!という思いがあっても、つながりがなければ実現できません。
児童家庭支援センターや子ども家庭支援センターなどへ活動への協力を持ちかけ、賛同いただける自治体を探しました。
近畿で開催したこどもgaカフェに参加していた方から、紹介に次ぐ紹介で現在のご縁につながりました。継続的に開催できるご縁に、本当に感謝です。

開催時は、まだ毎回バタバタしています。いろいろなお子さまがいらっしゃるので、それぞれのお子さまに合わせた対応や、開催するホームとの調整、参加いただくご入居者様へのご案内や対応など、今後回数を重ねることで、少しずつ体系立てて動けるようになれたら良いですね。

この活動は継続が大切だと感じています。単発の開催では、お子さまの居場所づくりという意味では不十分です。
継続的に開催することで、お子さまの成長を見守ることもできます。チャームプレミア山手町ではこどもgaカフェを2回開催し、1回目の参加者全員が2回目も参加してくれていたのは、とても嬉しかったです。

将来の選択肢を増やすきっかけを作りたい

――今後、こどもgaカフェをどのように発展させたいとお考えですか。

児童家庭支援センターの方から伺ったところ、子どもたちに将来の夢やなりたい職業を聞くと、自分と接点がある職業しか出てこない傾向にあるそうです。
自分の知らない職業には、「なりたい」という発想が出てこないのは自然なことです。だからこそ、「こんな仕事があるんだ」という気づきは、将来の選択肢を増やすことになります。

首都圏で開催したこどもgaカフェでは、協賛していただいている給食会社の元パティシエの方に協力をいただき、プロならではの技を披露していただいたこともありました。そのときはお子さまから「わぁ~」という歓声が上がっていたので、この体験を通してパティシエやシェフを目指すお子さまがいると良いな、と思っています。

将来の選択肢を広げる機会を作る意味でも、こどもgaカフェは継続的に開催していきたいですね。
老人ホームというもの自体をよく知らないお子さまも多いはずです。介護スタッフなど、介護施設で働く人も身近に感じてもらえると、とても嬉しいです。
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首都圏でも支援活動の幅を広げていきたい

――最後にこれからの目標を教えてください。

近畿圏では神戸市と事業連携を行い、ショートステイや就労支援、奨学金支援など、さまざまな活動が行われています。
首都圏ではこどもgaカフェの開催実績のみですが、弊社の活動をたくさんの方に知っていただき、ぜひ首都圏でも支援活動の幅を広げて、社会貢献に精力的に取り組んでいきたいと考えています。

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