介護職に女性の割合が多い理由

財団法人 介護労働安定センターにより行われた、令和5年度「介護労働実態調査」によると、介護職員の男女比は男性が約25%、女性は約75%と報告されており、女性の割合が男性の約3倍を占めることがわかります。

介護職員に女性が多い理由として「家庭と仕事の両立がしやすい」「コミュニケーション能力が高く、ご入居者様と良好な関係を築ける」点が挙げられます。それぞれ確認していきましょう。

家庭と仕事の両立がしやすい

介護業界は慢性的な人手不足という課題を抱えているため、女性の活躍が強く期待されています。このため、働きやすい職場環境を目指し、出産や子育てに関する支援制度を整備している介護関連企業が増えてきました。

さらに、女性スタッフが多い職場では、子育て中の「ママさんスタッフ」も多く、急な子どもの体調不良や学校行事などでも、職場の理解を得やすく、安心して休めるというメリットがあります。

介護職は、フルタイムの正社員から短時間のパート勤務まで、介護福祉施設や事業所によって多様な働き方を選択できるケースがあります。多くはシフト制のため、事前に都合の悪い日を申告しておくことで、お休みを調整しやすい点も、家庭と仕事が両立しやすい大きなポイントです。

コミュニケーション能力を活かしてご入居者様と良好な関係を築ける

介護職において、ご入居者様とのコミュニケーションは欠かせません。何気ない会話の中から、ご入居者様の体調の変化に気づくこともあります。信頼関係が築けていれば、ご入居者様の方から体調の不調を伝えてくださることもあるでしょう。
女性ならではの細やかなコミュニケーション力や共感力は、ご入居者様の心に寄り添い、健やかな生活を支えることにつながります。

介護の仕事では、チームワークも非常に重要です。スタッフ間で密にコミュニケーションを取りながら業務を進めることで、お互いに良好な人間関係を築き、業務も円滑に進めることができます。
このように、介護業界はコミュニケーション能力に長けた方が大いに活躍できるフィールドです。
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介護職に適している女性の3つの特徴

介護職が気になっている方の中には、自分に適性があるのか不安に思っている方もいるでしょう。
介護職として働く上で、適している女性の特徴をいくつか紹介します。

聞き上手

介護職において、傾聴の姿勢は特に重要です。ご入居者様のご要望に耳を傾けたり、話し相手になったりするなど、「聞き上手」 であることが求められる場面が多くあるからです。

真摯にお話を伺うことで、ご入居者様は「親身になって話を聞いてくれる」「丁寧に対応してくれている」と感じてくださるでしょう。楽しそうに話を聞いてくれる介護スタッフには、ご入居者様も心を開いて接してくれるはずです。会話が楽しく弾むようになると、ご入居者様との信頼関係はより一層深まっていきます。

また、日頃からご入居者様と積極的にコミュニケーションを取ることで、体調の変化にいち早く気づくこともできるため、結果的にご入居者様やご家族様の満足度向上にもつながります。

気配りができる

ご入居者様が何を求めているのか、今何をしたら喜んでいただけるか、と一歩先を考えて行動できる「気配り上手な女性」は介護職にとても適しています。

ご入居者様の中には、言葉での意思疎通が難しい方もいらっしゃいます。そのような場合、画一的な介助サービスしか提供できない介護スタッフでは、十分な対応が難しいケースもあるでしょう。可能な範囲で臨機応変に対応できれば、介助業務もよりスムーズに進みます。

また、自身に余裕がある時には、忙しそうなスタッフに手を貸したり、「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけたりできると、一緒に働く介護スタッフとの関係も良好になり、職場の雰囲気も一層明るくなるでしょう。

気持ちの切り替えが上手

介護の現場では、寝たきりの方や認知症を患っている方への対応が難しい場合もあります。時には、認識の相違から予期せぬ言葉をいただくこともあるでしょう。また、ご入居者様の最期に立ち会う場面もあるかもしれません。

悲しい気持ちになり落ち込んでしまい、他のご入居者様の介助業務に支障が出てしまっては本末転倒です。困難な現実に直面しても、冷静に気持ちを切り替えて介助業務にあたれる「切り替え上手な方」が、介護スタッフには向いていると言えるでしょう。

※介護職に向いている人の特徴について、さらに詳しく知りたい方はこちら
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女性介護スタッフが活躍できる職場と適性3例

介護福祉施設の業態にはいくつかの種類があります。提供する介護サービスに違いがあるため、活躍が期待できる介護スタッフの特徴と合わせて確認していきましょう。

チームで働きたい方は老人ホームがおすすめ

協力し合いながら働きたい、チームワークを活かして介助業務を進めたい方は老人ホームがおすすめです。

老人ホームの例としては、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、ケアハウス(一般型・介護型)、有料老人ホーム(介護付、住宅型)、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などがあります。

老人ホームでは、施設形態により異なりますが、入浴や排泄介助からお食事のサポート、レクリエーションまで幅広く介助を行います。看護師や理学療法士、ケアマネージャーなどさまざまな職種の方たちと連携し、ご入居者様に対応していきます。

お互いの意見を尊重しコミュニケーションを取るチームワークを活かした仕事にやりがいを感じる方は、老人ホームを検討してみてください。

また、老人ホームはフロアごとに担当が決まっているケースが多いため、特定のご入居者様としっかり信頼関係を構築していきたいという方にも、適しているでしょう。

レクリエーション活動に力を入れたい方はデイサービス

デイサービスは、通所で食事や入浴などの生活支援を行いますが、レクリエーションにも力を入れている事業所が多く見られます。

レクリエーションは、企画から運営まで、何人かで協力し合いながら準備を進めなければなりません。当日は、ご利用者様だけでなくご家族様も参加される場合があるため、広くコミュニケーションを取る必要があります。

人前に立って話すことが得意な方、自発的にクリエイティブな活動ができる方、レクリエーションを考えるのが好きという方は、デイサービスが向いています。

マンツーマンでご利用者様と向き合いたい方は訪問介護

より近い距離でご利用者様と接したい、1対1で向き合い親密な関係を築きたい方は、訪問介護を検討してみてください。

基本的に単独でご利用者様の自宅にお伺いし介助業務を行うことが多いため、自分のペースでご入居者様とじっくり向き合うことができます。
一方で、他の介護スタッフに助けてもらうことができないため、状況に応じてさまざまな判断が必要とされる点に注意が必要です。
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介護スタッフのキャリアアップに有利な資格とは

介護スタッフにとって、資格を取得することは専門的な知識を修得できるだけでなく、収入アップにもつながります。
転職の際、これまでの介護スタッフとしての経験と合わせて資格が提示できれば、「勉強熱心」「仕事に真摯に向き合っている」という印象を持ってもらえ、スムーズに転職できる可能性も高くなります。

具体的には介護福祉士やケアマネージャーが、キャリアアップに直結する資格です。介護福祉施設や事業所にもよりますが、前述の資格は資格手当が給料に上乗せされるケースがあります。

資格があれば任される仕事の幅も広がり、ご入居者様や一緒に働くスタッフから信頼されることや、責任のある仕事にやりがいを感じることも多くなるでしょう。

※介護・福祉業界の収入についての詳しい記事はこちら。

介護職は女性にとって働きやすい職種

介護職は、仕事と家庭を両立したい女性にとって働きやすい職種です。働きやすい理由を確認していきます。

働き方を選択できる

理由の一つ目は、フルタイムやパートなど働き方に選択肢があることです。
子どもが小さいうちはパートで、成長し手を離れたらフルタイムに、といったようにライフステージに合わせて選択が可能です。
働き方を変えながら、キャリアを途切れさせることなく、長く勤めることができます。

シフト制で時間の融通が効く

介護福祉施設や事業所の多くが、シフト制であることも働きやすい点です。
お子さんがいる女性は子どもの学校行事や体調不良など家庭の事情で、休まなければならない場面があります。勤務時間を調整しやすいシフト制は、家庭を持つ女性にとって働きやすさにつながります。

ただし、老人ホーム等は夜勤があるため注意が必要です。夜勤が難しい場合、シフトの調整ができる環境かどうかを確認しましょう。または、デイサービスや訪問介護事業所など、夜勤が発生しない介護施設を検討する方が良いかもしれません。

冒頭で述べたように、介護スタッフは女性の割合が多い特徴があります。子育て世代も多いため、急なお休みの場合も同じような境遇のスタッフが協力し合える環境があるという点でも、働きやすい職種と言えるでしょう。
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介護職の魅力と将来性

介護スタッフは、介護の仕事にどのような魅力ややりがいを感じているのでしょうか。長く続ける仕事としても注目されている介護職の将来性と合わせて、確認していきます。

介護職のやりがいと魅力

介助業務などを通して、ご入居者様からいただく「ありがとう」といった感謝の言葉にやりがいを感じる介護スタッフが多いようです。
介護職は、ご入居者様とのコミュニケーションが大切な仕事のひとつです。日常のささいなやりとりのなかで見られる、笑顔があふれる瞬間に、魅力を感じるスタッフもいます。

最近では、介護の現場にもDXが取り入れられ、見守り機器や配膳ロボットが導入されている老人ホームも出てきました。介護スキルと合わせて、新しい取り組みに積極的に参加することで、自身の成長を感じられる点も介護職の魅力です。

介護職の将来性は期待できる

医療技術の進歩とともに高齢者の人口は近年増え続けており、日常生活において介助を必要とする「要介護」認定者の数も増えています。それに伴い、求められる介護スタッフの数も増えているのが現状です。

厚生労働省の調査によると、要介護認定者数は2000年と比較し、2022年には3.2倍に増えています。利用者のニーズに合わせて、介護サービスの種類や業態も増えているため、介護スタッフにとっては働く選択肢が増えているわけです。

介護職は十分に将来性が期待できる職業と言えるでしょう。

チャームケアは働きやすい職場環境を実現

チャームケアは、介護スタッフが働きやすい職場環境の実現に注力しています。

介護DXへの積極的な取り組みや週休3日制の導入など、職場環境の改善に真摯に向き合うと同時に、給与面では年に一度昇給の機会を設け、介護スタッフの頑張りに応じた還元も行っています。

整った環境や制度の下で長く介護スタッフとして働きたい、将来性が期待できる職場で自分の可能性を試してみたい、など介護スタッフとしてのキャリアを前向きに考えたい方は、ぜひ一度チャームケアのホーム見学にいらしてください。

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