介護における「見守り」の必要性

介護施設では、介護スタッフがご入居者様の様子を観察する「見守り」業務が行われています。

お食事の時間は、誤嚥や落薬が起こっていないか、介助が必要な状況ではないかを見ています。また、レクリエーションやリラックスタイムでは、普段と違う様子や健康状態の悪化が見られたとき、すぐに対応できるように準備しています。
ご入居者様の自立を促進するためにも、ご自身でできることはやっていただきながら、転倒などの事故の防止、持病をお持ちのご入居者様の急変への備えなど、さまざまな意味で見守りは不可欠です。

株式会社チャーム・ケア・コーポレーションの運営する介護付有料老人ホームでは、ご入居者様の安全とプライバシーに配慮しつつ、介護スタッフの見守り業務をサポートする「見守りセンサー」の活用に注力しています。

※「見守り」について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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介護施設で見守りセンサーを活用する3つのメリット

令和2年度に行われた厚生労働省の委託調査では、見守り機器を導入している全国の施設は約74%、そのうちセンサータイプを利用している施設は約46%という結果でした。
導入にあたり、設置費用がネックになっている介護施設が多いようです。

チャームケアでは、早くから見守りセンサーの有効性と重要性を注視し、少しずつ導入するホームを拡大してきました。介護施設で見守りセンサーを活用するメリットを確認しましょう。

1:ご入居者様の生活の質を高めるサポート

フロアでは介護スタッフによる見守り、居室や夜間はセンサーによる見守りと、場面や時間帯に合わせて活用することで、ご入居者様お一人お一人に安心して過ごしていただける環境を実現しています。

監視カメラとは異なり、見守りセンサーはご入居者様の動きや体温に反応するため、ご入居者様に「なんだか見張られているような気がする…」といった不快感を与えてしまう心配もありません。
また、見守りセンサーのおかげで、介護スタッフが訪室する回数を減らすことができ、ゆったりとプライベートの時間を過ごすこともできます。

ご入居者様の異変を素早く検知し、適切なタイミングで介護スタッフがケアするというように、見守りセンサーの導入がご入居者様に寄り添ったサービスの提供をサポートしています。

2:介護スタッフの負担軽減

介護サービスの需要が高まる一方で、介護職員の人手不足は深刻さを増しています。
主に居室で過ごされる時間帯の見守りにセンサーを取り入れることで、介護スタッフの居室への訪室回数を減らすことができ、業務負担の軽減に役立ちます。

介護スタッフにとっては、働きやすい職場環境の醸成や、定着率の向上・離職防止が期待されます。

3:業務効率化と経費の削減

見守りセンサーの導入には初期費用がかかりますが、同時に、見守りを中心とした業務にかかる人件費の削減が見込めます。

見守りセンサーから得られたデータは、自動で保存・一覧化されるため、スタッフ同士の情報共有が円滑に行えるメリットもあります。

見守りセンサーが、すべての見守り業務を担えるわけではありませんが、その一端を担うだけでも、介護スタッフの業務効率化が可能です。

※チャームケアが行う介護DXの取り組みはこちら!
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見守りセンサーを導入する際の2つの注意点

見守りセンサーは確かに有用なツールですが、ただ見守りセンサーを導入すれば良いというわけではありません。
導入する際の注意点についても解説します。

初期費用が必要

導入するセンサーの種類にもよりますが、例えば、離床時の体の動きに反応するような体動センサーは数万円〜20万円前後です。
居室数・ご入居者様の人数だけ必要になるため、規模が大きいホームであれば、それだけ初期費用も必要になります。

ご入居者様のデータがクラウドに保存され、デジタル機器により介護スタッフの手元でリアルタイムにデータが確認できる、というメリットもあります。これにより、ご入居者様の異変を見逃すリスクは大幅に減少させることができます。

見守りセンサーはあくまでサポートツール

見守りセンサーを取り入れたからといって、介護スタッフの見守り業務がなくなるわけではありません。万一、センサーが異変を検知した場合は、介護スタッフの素早い確認や対応が必要となります。

見守りセンサーはアラームを鳴らしてくれるサポートツールであり、最後は人が対応することでご入居者様の安心と安全が守られるということを認識しておきましょう。

チャームケアの見守りセンサー・介助サポート機器の活用例4選

チャームケアでは、さまざまな見守りセンサーや介助サポート機器を取り入れ、ご入居者様に寄り添う介護を実現しています。ここからは、実際の活用例をご紹介します。

超音波・赤外線センサー

センサーの前を通る人の動きを感知するため、ご入居者様の活動の様子を確認するツールとして用いられています。
ただ、人を識別することはできないため、ご入居者様以外がセンサーの前を通過しても感知します。介護スタッフやご家族様も同様に感知するのはデメリットでもあります。

人感センサー

ご入居者様がベッドから起き上がられる離床時や、立ち上がる際の動きに反応するセンサーです。
チャームケアでは、記録されたデータが、介護スタッフ全員が所有しているタブレットのアプリに通知される仕組みになっているため、いち早くご入居者様の情報を共有することができます。

バイタルセンサー

ご入居者様の睡眠の状態を、呼吸数などから確認するセンサーです。
導入前は、実際によく眠れたかどうかは、ご入居者様からの自己申告に頼っていましたが、導入後は、客観的なデータでご入居者様の睡眠状況を把握することができるようになりました。

快適な目覚めに導く良いタイミングで、起床介助を行うことも可能です。ご入居者様のQOL向上に力を発揮します。

自動体位変換器

チャームケアは、エアマットレスタイプの自動体位変換器を導入しています。ご入居者様の眠りの深さや、体重移動に合わせて自動で体位変換をしてくれる優れものです。

従来、介護スタッフの介助が必要であった寝返りをサポートしてくれるため、ご入居者様の睡眠の質の向上に役立っています。

※介護ロボットなど、チャームケアの新たな取り組みをこちらからご確認ください。
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まとめ

見守りセンサーという言葉は、監視カメラとの混同もあり、あまり良い印象をお持ちでない方もいらっしゃるかもしれません。
「いつも誰かに見られているような…」「視線を感じて、落ち着かない」といったお声もあります。

実際に現場で使われている見守りセンサーは、ご入居者様を監視するためのものではなく、ご入居者様のホームでの安心で快適な生活を力強く支えるサポート機器の一つです。

また、見守りセンサーを使用する介護スタッフは、自身の経験や直にご入居者様と接することで得られる情報にプラスして、見守りセンサーから得られる客観的データを、総合的に判断して、ご入居者様お一人お一人に必要なサポートを行います。

介護施設で使用可能な見守りセンサーは、年を追うごとにバリエーションが豊富になってきました。新たな見守り機器については、これまで同様、機能を丁寧にご説明するとともに、ご入居者様のご意見も伺いながら導入を進めていきます。

チャームケアはこれからも、ご入居者様と現場で働くスタッフの両方にとって、Win-Winな見守りセンサーの有効活用と拡充に注力していきます。

この記事の監修・アドバイザー

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大野世光(おおのひろみつ)

2017年10月1日、株式会社チャーム・ケア・コーポレーションに入社。
介護系大手企業でスーパーバイザーなどを歴任し、
チャーム・ケア・コーポレーションのホーム長を経て、
教育研修室にてスタッフの教育を実施。
2022年7月から、教育研修部副部長 兼 介護DX推進課長に就任。
介護支援専門員資格、社会福祉主事任用資格を所持。

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