「働く側が幸せでないといけない」という言葉に共感

──はじめにご経歴を教えてください。

チャーム尼崎東園田の安宅望です。
2020年4月新卒入社の3年目です。

学生時代は心理学部でした。
心理学部で学んだことを活かして働くのはかなり狭き門で、大学院に行って国家資格を取得したりと、高いハードルが待ち受けています。
そのため一般企業に就職しようと考えていました。

しかし、自分のやりたいことも強みもわからない状態で、就活は正直難航していました。
そんな時に参加した合同説明会で、最後の最後に出会ったのがチャームケアでした。

当時は介護の勉強をしたこともなかったので、自分と介護との接点は何もないと思っていたんですが、採用担当の方から話を聞いているうちに、祖母が介護施設に入所していたことを思い出しました。

母が施設での面会から帰ってくるたびに「おばあちゃんに差し入れしたんだけど、職員さん全然食べさせてくれてないみたい」など、利用者側から見た印象を話していました。
聞いていた時には「そうなんだ、大変だな」「なんでやってくれないんだろう」と思う程度だったのですが、採用担当の方から「ご入居者様が幸せになるためには、働く側が幸せじゃないといけない」と聞いて、それだ!と思いました。

いろんな企業の説明を受けても全然ピンときていなかった自分が、就活で初めてピンときたのがチャームケアで、たまたま介護業界だったんです。

※安宅さんの同期で、チャームケアで活躍されている方のインタビュー記事はこちら!

ネットショッピングのお手伝いもサポートのひとつ

──お仕事のやりがいについて教えてください。

自分の得意なことで、ご入居者様のお役に立てたり、頼ってもらえたときはやりがいを感じます。

例えば、僕は機械やデジタル系に強いので、そういう類で困ったことがあった時に「安宅さん教えてもらえる?」と名指しで声をかけていただきます。

あるご入居者様に「ネットショッピングをしたいんだけど、やり方がわからないから教えて」とお願いされたことがありました。
ネットショッピングはプライベートでもよく使っているので、ご入居者様の操作をサポートして、商品の購入をお手伝いしました。
「支払いはコンビニ払いだったらカードがなくても大丈夫ですよ」とお伝えしたら、「とても助かったわ。ありがとう」と言ってくださいました。

関わりの幅を広げるために、普段のケアの場面だけでなく、ふと居室を訪れた際などに「何か困っていることはありませんか?」とお声がけをするようにしています。
そうすることによって、長く関わってきたご入居者様であっても、新しい接点を持つことができるのが介護のやりがいですね。
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仕事に慣れるまでとても苦労した1年目

──これまでで大変だったことはどんなことですか?

入社前に採用担当の人から、介護の仕事にはいくつか壁があると聞いていました。

1つ目は不規則な生活の壁
夜勤があったり、朝早い日があったりと生活リズムが掴みにくく、身体に合わない方もいるようですが、僕自身は問題ありませんでした。

2つ目は排泄介助の壁
僕も始める前までは「できるかな?」と不安を感じていましたが、初日から3日くらいで「やるしかない!」と覚悟が決まり、平気になりました。

3つ目はクレーム対応の壁
ご入居者様にはご家族様がいらっしゃって、ご家族様にもそれぞれ思いがあります。
うちの母が祖母の介護施設にいろいろと感じていたように、そんな思いを上手に受け取ってコミュニケーションをとる必要があります。

4つ目は、最低限のスキルを身につけ、仕事に慣れるまでの壁
僕はこの壁に一番悩まされました。

介護の仕事は、全体の流れを把握しつつ、ひとつひとつの業務の手順も覚えていかなければなりません。
チャーム尼崎東園田は、全フロア、全居室を全スタッフでケアしていく方針です。
フロア毎にスタッフが配属されるホームとは違って、全体を理解して仕事に慣れるまでに苦労しましたね。

周りの同期と比べて差を感じてしまうこともありましたが、入社から半年くらいかけて壁を乗り越えられてよかったです。
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介護業務のOJT改善や「見える化」に取り組む

──現在、力を入れていることを教えてください。

後輩スタッフの育成、指導に力を入れています。
きっかけは、ホーム長に「新卒スタッフへのOJTの仕方を考えてみて」と言われたことでした。

OJTとは?

On-the-Job Trainingの略。実務を通して知識やスキルを身につける実践形式の研修を指します。


例えば、どこのフロアからOJTを始めるか、どの先輩スタッフと組むかなど、新人さんが覚えやすく独り立ちしやすいやり方を考えました。

僕が入社したての頃は、教えてくれた先輩がいつも違う人で、ある程度のマニュアルはあるもののやり方がそれぞれ異なり、業務の手順を覚えるのに苦労しました。
今年は、新卒スタッフ1人につき、先輩スタッフ2人の3人組で、OJTは固定メンバーで行うことにしました。

また、普段はタブレットを使って「今日はAさんからDさんまで排泄介助に周ります」といったように業務を分担しているんですが、実際にはタブレットに表示される業務ばかりではなく、見えない仕事もたくさんあります。
これも口頭で教えてもらったり、感覚で覚えるしかなかったので、業務を1から全てExcelに書き出して「見える化」してみました。

この2つの取り組みがよかったのか、うちの新卒スタッフが優秀だったのか(笑)、とてもスムーズに慣れてくれました。

このことを通して、自分の新たな長所、周りを見ながら動けることに気がつきました。
入社当初は目の前の仕事をこなすことで必死でしたが、ホーム長はそんな自分の長所に気づいてくれていたんだと思います。

後輩ができたことで、自分の強みを活かせる場面が徐々に増えてきて、自信がついてきました。
特に、新卒スタッフが褒められると、僕自身も嬉しいです!

退去時に「会いたい」と言っていただける存在に

──ご入居者様との関わりで印象的だったことはありますか?

体調を崩し、お食事が進まなくなってしまったご入居者様がいらっしゃいました。
初めは「味がしない」「おかずが甘くて食べられない」といった理由だったんですが、食べられないとどんどん身体の機能が落ちて、気分も暗くなっていってしまいました。

僕はこのままでは良くないなと感じ、意識的にそのご入居者様に声をかけるようにしていました。
時間を作って、居室を訪れて会話をしてみたり。

そんな日々を積み重ねていたら、僕のことを気に入ってくださったようで、顔を合わせるととても嬉しそうな表情で接してくれていました。

しかしなかなかお食事が進まないこともあり、療養型の病院に入院するために、チャーム尼崎東園田を退去されることになりました。

もともと、最後の日にはシフトがなくても挨拶に行こうと決めていました。
そのご入居者様からも「安宅さんにはお世話になったから、最終日は来てほしい」と言ってくれて、とても嬉しかったです。

退去される日には、ご家族様にもお会いすることができて「いつもお話を聞いています。お世話になりました」と言っていただけました。
自分の話をご家族様にもしてくださっているんだなと思うと感動して、お互い涙目になりながら話をしましたね。

業務が大変だなと思う日もありますが、3年目でもこういう心動かされる出会いや出来事があって、味わい深い仕事だなと思います。
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長所を活かして介護リーダーを目指す

──今後の目標を教えてください。

まずは、3年の実務経験が必要な介護福祉士の試験を来年受けるつもりです。
今はそのために、1日1日を丁寧に続けていきたいです。

また、自分の長所である周りを見る力を活かして、業務改善を行っていく予定です。

ホームの人員と必要な介助をリストアップして、効率よく回せるようにしていきたいです。
これは一見システマチックなことに感じますが、業務改善をすることでスタッフの手を空けることができれば、ご入居者様と触れ合える時間の量や質が変わってくるんです。

スタッフの人数は同じでも、今よりもさらにご入居者様お一人おひとりにケアが行き届く体制にしていきたいです。
ゆくゆくは介護リーダーにもチャレンジしてみたいので、今の自分にできることを積み重ねていきます。
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介護職はどんな強みや長所も活かせる仕事

──最後に、入社される方へメッセージをお願いします。

介護職は、自分の長所が活かせる仕事です。

例えば、学生時代に海外旅行が好きでいろんなところに行ったことがある人だったら、海外でのエピソードを話せば喜んでいただけます。
僕のように、デジタル系に強いというちょっとした長所が重宝されることもあります。

僕自身、入社前は「自分には何にもない」と思いながら就活を続けていましたが、入社後思わぬところで自分の長所を見つけることができました。

この2年半で「介護には向いてないんじゃないか」と思った時期もありましたが、続けてきてよかったです。

どんな仕事が自分に合っているか、やってみないとわかりません。
介護職に進むかどうか迷っている人も、とりあえず1回やってみる…そんな選択もいいかもしれません。

介護業界に関心がなかった僕も、視野を広げて就活したおかげで今があるので、ぜひチャレンジしてみてください。

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