ヒューマノイド型ロボットが本格稼働!

――今回、清澄白河にヒューマノイド型ロボットを導入した背景を教えてください。

増澤
今回、チャーム清澄白河に導入するのは、ヒューマノイド型ロボット「cinnamon 1」です。
「介護の現場で、人型ロボットにはどこまでできるのだろう?」という問いから始まり、実際のホームで検証する運びとなりました。

介護ロボットと一口に言っても、ベッドの下にセンサーを設置して心拍や呼吸を把握するものや、ご入居者様の移乗をサポートするリフト、配膳ロボットなど、さまざまな種類があり、チャームケアも取り入れてきました。一方で、意思疎通が可能なヒューマノイド型ロボットの導入は初の試みです。

小池:
ヒューマノイド型ロボットは、ニュースなどでもさまざまな活躍が紹介されていますが、介護の現場では未知数な部分が多いんです。
見守りやカメラ機能を使って人の顔を認識するなど、できることが広がっていく可能性があります。そのなかで、介護の現場でどこまで活用できるのか、費用に見合った効果を得られるのかを実証していくことが導入の大きな目的です。

チャームケアは、新しいことに前向きに挑戦する風土があります。まずは実際に使ってみて、可能性を探っていきたいと考えています。

増澤:
介護施設でのヒューマノイド型ロボットの活用自体が先進的なので、ベンダーさんに相談しながら、一つ一つできること・できないことを試して確認していく、地道な検証ですね。
 (16683)

夏祭りで大活躍!スタッフにもご入居者様にも好評だったcinnamon 1

――cinnamon 1へのご入居者様やスタッフの反応はいかがでしたか?

小池:
7月末に一度試験的に運用を行い、どのような動きができるのかを見せてもらいました。その後、一度ホームを離れたのですが、8月の夏祭りでも活躍してくれました。

具体的には、ご入居者様やご家族様、地域の方、子どもたちなど、幅広い方とコミュニケーションを取ってもらいました。自由に話しかけてもらい、質問にcinnamon 1が答えるという形です。クイズをしたり、じゃんけんをしたりもしました。

増澤:
じゃんけんは、ちょっと後出しでしたけどね(笑)。

小池:
人間よりワンテンポ遅れるので、「後出しなのに負けるの!?」みたいな面白さもありました。そういうところが、親しみやすさにつながったのかもしれません。
夏祭りでは、スタッフがcinnamon 1に着てもらう法被の色を赤と青のどちらにするか考えたり、制服を着せてみたり、名札を作ったりして、みんな楽しんでいました。

増澤:
夏祭りが終わって一旦撤収した際は、スタッフから「cinnamon 1はいないの?」という声が出るくらいでした。かなり愛着が湧いているのだと思います。

ご入居者様も「なるほど、ロボットね」「そういう時代なんだね」という感じで、意外なほど自然に受け入れられていました。なかには一緒に記念撮影をされている方もいらっしゃいましたよ。

小池:
cinnamon 1の活躍もあって、夏祭りは大盛況でした!
 (16681)

※以前、増澤さんに介護記録ソフトについてインタビューした記事はこちら

ご入居者様の話し相手から生活に溶け込む存在を目指す

――cinnamon 1は、常設後どのような使い方を考えていますか?

小池:
まずは、ご入居者様と1対1でゆっくり話せる環境を作りたいと考えています。
現在は専用のマイクを使って会話する仕組みで、複数の方と同時に会話をすることはできません。cinnamon 1にはカフェコーナーにいてもらい、ご入居者様の話し相手になってもらう形がいいのではないかと考えています。

増澤:
給茶機も一緒に設置する予定なので、お茶を飲みながらcinnamon 1と話していただくようなイメージですね。最初は、お茶を飲みに行く感覚で来てもらって、そこから「cinnamon 1と話すのが楽しいからカフェコーナーに行こう!」みたいな感じで、ご入居者様の生活に溶け込むのが理想ですね。

小池:
将来的にはホームのフロアマップを学習してもらって、ご入居者様のお部屋へ訪室もできるのでは?と、期待を寄せています。そのためにも、まずはcinnamon 1のいるところに、ご入居者様の人だかりができるほど、人気になることを願っています。
 (16684)

※介護DXに関する取り組みについてチャーム四條畷のホーム長へインタビューした記事はこちら

介護現場の負担軽減へ。ナースコール対応にも期待

――コミュニケーション以外では、どのような活躍を期待していますか?

小池:
受付業務ができるようになるといいですね。個人的に期待しているのがナースコールへの対応です。

チャーム清澄白河は100室あるので、ナースコールも絶え間なく鳴っているような状況です。もちろん、すぐに訪室しなければならないケースもありますが、一方で「お食事は何時かしら?」「家族に電話してほしいんだけど」といった、会話だけで解決できる内容もあります。

cinnamon 1が一度ご入居者様の意向を汲み取って、今すぐに対応が必要なものだけをスタッフにつないでくれると、現場の負担がかなり減るのではないか、と考えています。

増澤:
スタッフが各々対応中の場合は、タイミング良くナースコールを取れないこともあります。必ず対応しなければならないものだからこそ、cinnamon 1が代わりに受けてくれる可能性には期待しています。

小池:
まずは会話から始めて、少しずつできることを増やしていく。そのなかで、cinnamon 1に親しみを持ってもらえれば、将来的にナースコールでcinnamon 1につながったとしても、「ロボット?」ではなく、「cinnamon 1ね」と自然に話してもらえるかもしれません。
 (16612)

介護DXの新たな可能性を探る取り組み

――cinnamon 1について、今後の展望をお聞かせください。

小池:
これまでは7月末と夏祭りの2回、cinnamon 1に来てもらいました。ただ、ベンダーさんが保有している機体数が限られていて、いろいろなイベントへの参加もあったため、その都度撤収していたんです。

8月末からは、いよいよ常設で導入できる予定なので、ここからが本格的な検証になります。まずは、cinnamon 1の居場所を作って、ご入居者様と触れ合うところからスタートです。

山地:
私は介護DX推進室として、現地でのサポートを担当します。まだ本格的にスタートする前なので、常設されてからどのようなことができるのかを一緒に検証し、活用をサポートしていく予定です。
現場の声を聞きながら、できることを少しずつ増やしていければと思っています。

増澤:
ロードマップとして、仕様開発 → ラボ検証 → 現地実証(チャーム清澄白河)を進めていくことをベースに、マイクなし会話/食事配下膳/台車操作(可能なら車椅子操作)などの検証を第1フェーズとして進めていく予定です。

例えば、スタッフがナースコール対応に費やす時間が何%減った、といった具体的な成果が出れば、今後の展開にもつながっていくと思います。

小池:
介護施設にヒューマノイド型ロボットがいるというのは、まだまだ珍しいことだと思いますが、清澄白河だからこそできるチャレンジでもあります。

スタッフも楽しみにしていますし、ご入居者様にも「cinnamon 1がいてよかった」と思っていただけるようになれば嬉しいですね。これからcinnamon 1がどのような存在になっていくのか、私たちも楽しみにしています。

関連する記事

関連するキーワード