前職は動物園の飼育員

──入社の経緯を教えて下さい。

人材開発課、課長代理の長瀬大樹です。

私は5年ほど前に、チャームケアに転職してきました。
介護の仕事は前職を含めて約15年になりますが、その前は移動動物園で動物の飼育や調教をしていました。

介護職に出会ったのは、大学時代。
子どもの時からの夢「動物園の飼育員さんになりたい」を叶えるべく、酪農系の大学で動物全般の勉強をしていました。

大学では心理学のゼミに所属し、アニマルセラピー」の研究をしていました。
アニマルセラピー」は、人と人とのコミュニケーションの間に動物を介在させ、関係性を良好にしようというもの。

研究では、いろんな場所に調教された動物、主にわんちゃんを連れて行っていました。
認知症や高齢者の方が犬と触れ合うとどんな効果があるかを研究するため、老人ホームにも足を運んでいました。
研究をより良いものにしたい一心で、ホームヘルパー2級(現在の介護職員初任者研修)の講座を受講し、実習で初めて認知症の方が暮らすグループホームに訪れました。

認知症の方への食事介助を任され、初めてお隣に座らせていただき、声かけをしていました。ですが、一向に進まなくて。
自分なりに工夫しながら関わりましたが、一口も食べていただけませんでした。

そんな様子を見かねた職員さんが交代してくださり、その方に一言「召し上がりませんか」と声をかけたら、なんと召し上がり始めたんです。

私、「えええ!」と本当にびっくりして、雷に撃たれたくらいの衝撃を受けました(笑)。

後からその職員さんに「どんな工夫をされたんですか?」と質問すると、声をかけるタイミングや声色、声をかける視線の角度、お箸やお茶碗を持ってもらうタイミングなど、事細かに観察して関わったと教えてくれました。

例えば、その方の普段の食事の様子の中で、お箸を先に持ってもらうと全然食事が進まないんですが、先にお茶碗を持ってもらうと自然と召し上がっていただけるそうで。

私はこの経験から、介護は「Aの方法で行えば、全ての方に〇〇していただける」というような単純なものではなく、ケアはまさに情報の「集合体」であることを知りました
「食事をする」という一つの動作に、こんなにも情報が詰まっていて、介護スタッフの方が声色や目線などの細部にこだわりケアしていることに強い衝撃を受けました。

研究の何かの足しに…と思って始めたはずの介護の勉強でしたが、実習が終わる頃には、就職の選択肢として入ってくるようになりました。
就活中は介護と動物関係両方の選考を受けて、どちらからも内定をいただいたので、正直迷いましたが…、子どもの頃からの夢を優先して、動物園に就職しました。
約2年間、猛禽類や爬虫類の飼育をした後に、介護業界に転職しました。
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新卒採用と研修を担当

──現在、社内ではどんな仕事を担当されていますか?

自分が介護現場で経験したことを伝えていきたいという思いで、当初は研修の講師として入社しました。
ありがたいことに仕事の幅がぐんと広がり、現在は新卒採用全般を担当しています。

私は介護の仕事が大好きで、楽しさもたくさん知っていますが、介護には大変さもつきものです。
いい面だけお伝えするのは違うと思っているので、リアルな介護をお伝えしています。

2022年入社の新卒スタッフは、首都圏で33名いるので、皆さんと一緒に研修を実施しています。
入社してすぐ行われる2週間の研修が終わったばかりなので、今頃ちょうど各ホームに配属されて、ドキドキしながら頑張ってくれているはずですよ。

今後は入社1ヶ月、3ヶ月…というタイミングで研修があり、3年目まで研修が続いていきます。
同期が集まれる機会としても大切な役割になっています。

2020年~2021年入社で現在2~3年目の方たちは、コロナ禍のど真ん中だったので、顔を合わせて研修ができませんでした。
同期と関わりが少なく寂しい思いをさせていることがずっと引っかかっていたのですが、今月2年越しに顔を合わせて研修できることになりました!

採用の担当で、学生の時から関わっている子たちだからこそ、成長が楽しみです。

※長瀬さんがいらっしゃった教育研修室についての記事はこちら。

すべての経験が今に活きている

──長瀬さんが研修で大切にされていることを教えてください。

私が担当している「コミュニケーション研修」では、人と接するスキルを学びます。
たとえば、自分が思っている自分と、他人から見えている自分は違うということを意識したり、チームワークで仕事をするということを疑似体験できる内容です。

介護実技などの研修は、教育研修室が担当しています。
介護の知識や技術は専門性が高いので、実践したり見たり聞いたりしないと理解ができないことも多いんです。

専門性の高い研修の合間に、コミュニケーション研修を挟みながら進めています。

研修は「エンターテイメント」というのが私の信条です。
研修中に眠くなってしまうのはその人のせいであることもありますが(笑)、参加者が前のめりになるような研修ができているかどうかは研修の講師側に責任があります。

楽しんで参加してもらえて、面白い。
なおかつ学べる要素もちゃんとあって、身になる。
研修にはこの2つの側面が必要です。

私は昔動物園で働いていたときに、ショーの担当をしていたこともあるので(笑)。
ショーも研修も、場を回したり、会場全体に声をかけたり、楽しんでもらうということが共通しているんです。

どんな経験も無駄なことはひとつもなく、今の仕事にショーの経験が活きていると感じています。
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幅広い仕事ができる環境に感謝

──苦手なお仕事はありますか?

実は、数字を見るのがすごく苦手です。
採用目標人数など、どうしても数字がついてきますので、毎回苦労して数字とにらめっこしています。
思ったよりも自分は感覚人間だったんだと実感しています。

ですが、仕事の中で嫌だと思ったことは1回もなくて、すべて前向きに取り組んでいます。

数字と向き合うことも、人と向き合うことも、自分に与えられたミッションだと考えるようにしています。

成長のチャンスは、自分が欲しいと思ったときだけ都合よくもらえるものでありません。
チャンスが来た時には、「自分にやらせていただけることは、なんとしてもやってみよう」と思っています。

苦手ではあるんですが(笑)、数字と向き合うことも含めて、チャームケアで「いい仕事」をさせていただいているなあと感謝しています。
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自分に関わってくれた人がいるおかげ

──長瀬さんのお仕事のやりがいを教えてください。

私がやりがいを感じている瞬間は、2つあります。
一つ目は、自分が採用や研修で関わった新卒さんが成長してくれて、再会した瞬間です。
チャームケアには定期的に面談があり、年次により3ヶ月~半年に1回、お話する機会があります。

そんなときに「介護のこういうところが楽しい」と語ってもらえたら、「そうそう、わかる!」と共感できてとても嬉しいし、やりがいを感じます。

以前に関わったスタッフにたまたま再会して声をかけてくれた時に、「そういえば〇〇さんと同じホームになった新卒さんどう?」と聞くと、「最近ちょっと悩んでるみたいですよ」と教えてもらうこともあります。
悩みをぽろっと聞けることもあるので、ちょっとしたコミュニケーションの機会は大切にしています。

二つ目は、自分と関わってくださった全てのご入居者様やスタッフさんがいてくれたからこそ、今の自分がいると感じる瞬間です。

採用活動や研修で、自分の経験をお話させてもらうことが多いんですが、どんな経験も自分一人で経験したことではないんです。
一緒に過ごさせてもらったご入居者様やスタッフさんがいたから、今の仕事ができている。
そう感じる瞬間に、私はこの仕事のやりがいを感じています。

私が「以前、こんなご入居者様がいたんだけど…」と話している時には、自分の後ろにそのご入居者様がいてくださることを背中で感じながら話しているんですよ。
出会ってくださった皆さんには感謝しかないです。

採用や研修の時に関わったスタッフには、私と同じ感覚が伝わっていくと嬉しいです。
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仕事のレベルを上げて、さらに現場に寄り添いたい

──今後の目標を教えてください。

やっぱり現場が大好きなので(笑)、これからも現場のために自分ができることは、何でもしたいです。
もっと現場に寄り添う時間や、新卒さんや学生さんに話をする時間をとるために、自分の仕事のレベルを上げていきたいです。

また、首都圏でコロナが広まったときには、感染対策チームにも所属し、現場の支援などにも精力的に動いていました。
このような、思いもよらないところから出てくる仕事であっても、自分にできることがあるならやらせていただきたい。

今やっている採用のお仕事も、「前向きにチャレンジさせていただく」というスタンスで引き続き取り組んでいきます!

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