労働組合の声から始まった制服リニューアル

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――制服リニューアルのきっかけを教えてください。

古賀:
2020年に労働組合から制服に関する意見がとりまとめられたのがきっかけで、会社に正式に要請がありました。労働組合の職場会議において制服への要望が多く、その声が会社に届いたんです。

八木:
以前の制服は6年前に整理・統合されたものでした。スタイリッシュで良いものなのですが、介護をするにあたって、動きにくいなどの意見が多くありました。

介助は身体を使って行うため、動きやすいデザインや伸縮性に優れた素材を求める声が多く挙がったんです。

※労働組合の水野さんのインタビューでも、制服の見直しに関して触れています。

現場経験者とともにプロジェクトを立ち上げ

――制服リニューアルのプロジェクトメンバーはどのように選ばれましたか?

古賀:
各部署から代表者8名に協力してもらいました。
特に制服の着こなしや身だしなみというところで、教育研修室の室長やご入居者様・ご家族様と接する機会の多いホーム長をピックアップ。現場経験者を中心にメンバーを集いました。

八木:
実際に介助するときに、どのような機能性が求められるのかというのは大切なポイントだったので、現場スタッフの声は大切にしました
現場を熟知しているプロジェクトメンバーの協力なしにはうまく進められなかったと思います。

従業員の声を集めてみんなが求める新制服を考えた

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――制服リニューアルにあたってまずはどのようなことをしましたか?

古賀:

労働組合の職場会議では参加された一部の方の意見がまとめられたので、全従業員向けにアンケートを実施しました。

約1500名の回答では、新しい制服に期待する項目に「伸縮性」「通気性」「着心地」など「素材」を重視する意見が多く見受けられました。

八木:
そうは言っても、コストも会社として無視できない要素です。ということで、スタッフの意見を尊重しつつ、コストを抑えた制服の提案をプロジェクトのミッションに掲げました。

「機能性に優れて働きやすく、スタイリッシュでスタッフが自慢できる制服、またご入居者様にとって、安心安全で笑顔につながる制服、さらに、企業ブランドの向上につながる制服」を目指しました。

新制服にはスタッフのアイデアを詰め込んだ

――今回のリニューアルで素材、デザインなどの工夫について教えてください。

古賀:
素材では通気性と伸縮性のある着心地と高級感の両立も大変でした。

着心地の良さを重視すると高級感が損なわれますので、いいバランスのものを選ぶのに四苦八苦しました。いくつもの生地サンプルを見て、暑くならず動きやすそうなものを現場のスタッフとともに見つけていきました。

最終的には業者さんにお願いしてデザインコンペを行い、最初は6社、そして4社、2社とスタッフにアンケートをとりながら1社に絞っていきました。

八木:
また、以前の制服は近畿圏と首都圏、そしてチャームプレミアの3種類に分かれていました。

今回のリニューアルでは、それらを1つに統一しようということになりました。従業員の異動などがあった際、そのたびに新しい制服を支給しなくても済むようになり、コストも大幅に抑えられます。

当社の企業イメージを踏まえ、おもてなしを意識した高級感のある制服にしたいので、一般的な介護施設でよくある動きやすいジャージのようなデザインは難しいです。最高グレードのホームであるチャームプレミアでも使うとなると、なおさらです。
洗練されたデザインでありながら、介助のしやすさも考慮したものになるよう考えました。

さらに、女性のスタッフが多いため、女性目線のデザインも大切にしまし

古賀:
しゃがんだときにウェストから下着が見えないよう裾を長めにしたり、胸元からインナーが見えないように第2ボタンをやや上に配置したり、女性スタッフの声をしっかりと聞いてデザインに反映させました。

アンケートをとったときに、サロンに対する意見も多く見られました。
「身体介助時にサロンが邪魔になる」「サロンがすぐにずれて、勤務中何度も巻き直ししないといけない」「サロンが介助時に車椅子などにひっかかりやすい」といった意見もあったため、スタッフの業務効率やお客様の安全性を考慮してサロンは廃止になりました。

その代わり、制服のポケットを増やし、収納力をアップさせました。

予算を考えながら最高の制服を

――今回大変だったことについて教えてください。

古賀:
制服は全従業員に対して必要なので、やはり予算を超えないように新制服を考えるのがとても大変でした。
業者さんにはあらかじめ予算を伝えて、このラインは絶対に超えないようにお願いをして作ってもらいました。

現場スタッフの声を大切にしながらも、決められた予算の中でできる限りいい制服を作るのはかなり頭を使う作業でしたね。

八木:
デザインを決めるために総選挙を行い、結果的に3種類の制服は1種類になり、サロンもなくなりました。
やはり、100%全員が満足するのは難しいですね。しかし、当初のミッションはほぼ達成できたと思います。

スタッフの喜びの声が聞けて良かった

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――制服リニューアルプロジェクトを振り返っていかがでしたか?

古賀:
コロナの影響で当初よりもスケジュールが遅れてしまい、2022年9月にようやく制服が切り替わりました。
実際に着用したスタッフからは「伸縮性がよくなった」「以前よりも軽くなって動きやすい」という声をよく聞きます。

2年という長い時間をかけて、他の業務と並行しながら制服リニューアルに力を注いできた甲斐があったと思っています。
縁の下の力持ちである総務として、皆さんのお役に立てたことが嬉しいです。

八木:
大変なことはたくさんありましたが、それでも皆さんの喜びの声が聞けてやり遂げてよかったなと思っています。リニューアルが上手くいってほっとしている部分も大きいです。

皆さんが働きやすくなるよう環境の改善にお役に立てたのなら、やりがいがありますね。

古賀:
とはいえ、これで終わりではありません。制服の配布が始まると、サイズ交換希望が多く寄せられました

今まで男女兼用だったデザインが男女別で分かれたため女性用は従来より細身になったことで、体のラインが見えないゆったりとしたシルエットを好むスタッフからはワンサイズ上のものを求める声が上がったのです。
そのため、現在は交換対応に追われています。

また、インカムなどの仕事道具を収納するポシェットを統一する話も出ています。
既製品を購入するのかレンタル品を使うのかなど検討することが多くあり、制服の件が落ち着いたらこちらも本格的に進めていくことになるでしょう。

これからのスタッフの声を大切にして、働く環境を整えていこうと思います。

――ありがとうございました!

まとめ

制服リニューアルプロジェクトでは、実際に介護の現場で働くスタッフの声を反映しながら進めていきました。
今までの制服への不満や新しい制服に求める機能などをプロジェクトメンバーがじっくり読み込み、各段階で試作品のアンケートを実施し、スタッフ全員で良いものを選びたいという想いが伝わってきました。

ここにも人材を大切にするチャーム・ケア・コーポレーションの一面を感じることができますね。

※古賀さんには社名変更や標語誕生秘話などのお話も伺っています!
チャームケアでは、今後もスタッフの働く環境の改善、待遇のさらなる向上を目指して運営してまいります。
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