きっかけは介護職が生産性のある仕事だと気づいたこと

――末永さんが介護業界に興味を持ったきっかけを教えてください。

大学時代は介護や福祉とは関係のない学部に在籍しており、就職活動は特に業種を絞らず、総合職で就職できる企業を中心に進めていました。

「介護離職」というワードが注目を集めていた時期で、介護業界については、将来性が期待できる業界だという認識でした。
あるとき、介護福祉サービスの存在のおかげで、家族の介護で離職する人を減らし、労働力の確保につながること、ひいては国力の維持にもつながっていくことに気づきました。
介護の仕事は、直接何かを生み出すわけではなくても、巡り巡って生産性のある仕事なんです。

介護業界は、医療・福祉の面で高齢者を支えるという一面だけでなく、現役世代を支援する業界でもあると気づけたことで、一気に興味が湧き、介護業界へ飛び込むに至りました。
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企業理念とホーム長の考え方に共感し入社を決意

――チャームケアに入社された経緯をお聞かせください。

ケアマネージャー(以降、ケアマネ)の資格を取得後、当時働いていた職場ではケアマネのポジションが限られており、必要としてくれる場所を探して転職活動を始めました。
それまで働いていた事業所は居宅介護を中心としていたため、施設介護は未経験。ケアマネとしての成長を考えた際、施設介護も経験しておきたいと考えました。

エージェントやハローワークでもなかなかピンとくる企業が見つからなかったのですが、大学時代を過ごした愛着のある神戸市東灘区で就職先があればいいな、と探してみたところ、チャームケアの募集を見つけたんです。

面接を受けた際、チャームプレミア御影のコンセプトやホーム長のお話にとても共感したことを覚えています。
要介護の高齢者として接するのではなく、一人のお客様としてご入居者様と接するという企業理念から、全員が高い意識を持って、真摯に介護に取り組んでいる会社なんだなと感じました。

高齢者介護や福祉の仕事に就いている人は、福祉の精神に満ちあふれている人だけでなく、社会問題に対するモチベーションで働いている人もいます。
実際にご入居者様と接する介護スタッフ以外にも、営業担当者やケアマネなどの事務方、ホーム運営やマネジメントを担うホーム長や課長、さまざまな人間がいろいろな能力を発揮して成り立っている、と話してくださいました。

私は福祉の心あふれる人間ではないけれど、自分の能力を活かすことで、誰かのためになれば良いなと思い、この業界に入りました。そのためホーム長のお話がとてもしっくりきて、チャームケアへの入社を決意しました。

2020年11月から、チャームプレミア御影でケアマネとして勤めています。

※チャーム九条郡山のケアマネージャーへのインタビュー記事はこちら。

ケアマネの仕事は大変だけど楽しい!

――ケアマネの仕事について教えてください。

介護スタッフは、目の前のご入居者様を全身全霊でケアし、日々のご様子を観察・記録することが仕事です。ケアマネはその情報を集めて分析し、新しいケアプランに落とし込んでいきます。

ご入居者様の全身状況や経済状況、精神状態のみならず、価値観や嗜好などの情報も含めて分析・文章化して、現場の介護スタッフや看護師等ケアにあたる全員に理解してもらえるよう伝える必要があります。
幸い、もともと文章を書くことが好きなので、分かりやすい文章をあれこれ考えるのはも苦ではありません。

なぜこのケアが必要なのか、根拠が大切なので、一段深い知識が求められます。お薬の辞典や、疾病に関する書籍で足りない知識を補いながら、日々対応しています。必死のパッチですね(笑)。

でも、これがやりたかったから、ケアマネを志したんですよね。介護スタッフ時代は、ケアプランに疑問があっても深く知ることができず、ご家族様の思いを知る機会もほとんどありませんでした。
大変ですが、毎日充実していて、何より仕事が楽しいです!

※ケアマネジメントに関する詳しい記事はこちら。
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ケアプランを妥協せず突き詰め、ご入居者様の信頼を得る

――末永さんはケアマネ未経験での入社でしたが、入社当初はいかがでしたか。

ケアマネは基本的に1ホーム1人です。入社当初は、ケアマネ未経験のサポートに本社の方がOJTに来てくださいました。
同期入社のケアマネもいたので、電話で情報交換をすることもできたのでありがたかったです。それでも、大変なときは人知れずバックヤードで泣いたこともあります(笑)。

とはいえ、チャームプレミア御影に入居される方は、私以外のケアマネを選ぶことはできません。私がきちんとケアプランを立てないといけないので、「やるしかない!」と覚悟は決まっていました。
介護スタッフとしての経験が8年あるため、これまで触れたいくつものケアプランがとても参考になりました。

プレッシャーを感じつつも、信頼してもらいたい、自分についたケアマネが末永で良かったと思ってもらいたい、と願っています。ベストなケアプランの提案に妥協せず取り組んでいます。

やりがいは「ありがとう」の言葉とケアマネの仕事を評価してもらうこと

――ケアマネの仕事のやりがいは何ですか。

ひとつめは、多くの介護スタッフと同じで、ご入居者様からの「ありがとう」の言葉です。直接感謝の言葉を言っていただけるのは、人と接する仕事の醍醐味ですよね。

ふたつめは、ご入居者様とご家族様からご意向やお困りごとを聞いて、ケアプランに反映させたときに「末永さんが話を聞いてくれたから安心した」と、アセスメントの部分を評価してもらうことです。

ケアマネの仕事には、傾聴のスキルや論理的な分析・思考、広範な知識、文章化するスキルなど、多種多様な要素があります。なかでも、ケアマネをやりたい!という気持ちが一番大事だと思っています。

私も最初は「何でもできるようにならなきゃ」と意気込んでいました。実際、介護の現場では困ったことがあったら「とりあえずケアマネに相談してみよう」という雰囲気もあります。

最近、論語の「備わるを一人に求むることなかれ」というフレーズに出会ったのですが、まさに腑に落ちる一節でした。
全部ができる人間が1人いるよりも、違う得意を持っている人間が10人20人と集まってチームを組んだ方が大きな力につながる、よりご入居者様・会社のためになる、ということに気がついたんです。

倫理的価値観を持って仕事に取り組める方であれば、持っている才能を活かせるのがケアマネの仕事です。
マイナス思考になりがちな方も大歓迎です。マイナス思考の方は、起こりうる危険を深く洞察できる方ですよね。
ご入居者様と接するときに、明るくできれば良いんです。プロ意識を持って、自分が求められている役割を理解して働くことができる人材が必要です。

※ケアマネになりたい方に向けて履歴書の書き方を解説した記事はこちら。
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今後はサポートされる側からする側へ

――末永さんの今後の目標を教えてください。

入社5年目になり、ケアマネの仕事にも少し余裕を持って対応できるようになってきました。
これからは、チャームプレミア御影のメンバーと、もっとご入居者様に快適に過ごしていただけるような改善や、ホームの課題に積極的に取り組んでいきたいです。

大きな目標を達成するための小さな目標を立てながら、私自身が発信して周りを巻き込み、協力してやっていければ良いですね。
これまで周りの方にたくさん助けていただき、成長させてもらいました。今後は私が誰かをサポートする存在になっていければと考えています。

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