職務経歴書とは?

転職活動の際、面接予定の会社や事業所から「履歴書」だけでなく「職務経歴書」の提出を求められることがあります。

職務経歴書とは、仕事に関する経験やスキルをまとめた書類のことを指します。
自分の経歴やアピールしたいポイントに合わせて作成することができます。

職務経歴書と履歴書の違い

それでは、履歴書と職務経歴書はどのように違うのでしょうか?

履歴書は氏名、住所、学歴、職歴など、自分のプロフィールや基本的な情報を記載する書類です。
履歴書では、これまでの学歴や職歴を端的に確認したり、採用に必要な資格や免許を持っているか確認するものです。
ほとんどの履歴書が同じフォーマットで作られています。

職務経歴書は、履歴書に書いた職歴や資格の中から、アピールしたいものをピックアップして書くのが特徴です。
これまでにどのような仕事をしてきたのか、どのような成果を上げてきたのかを伝え、自己PRに活用する目的があります。

職務経歴書は、応募から採用まで幅広く使用される、非常に重要な書類なのです。

※履歴書の書き方についてはこちらをチェック!
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職務経歴書に書くべき基本項目

職務経歴書には、決まった書式やフォーマットはありませんが、必ず記載するべき内容があります。
下記の基本項目は必ず書くようにしましょう。

職務経歴書の基本項目

  • 日付
  • 氏名
  • 職務経歴(期間・内容・詳細)
  • 所有資格
  • 自己PR


職務経歴書の書き方のルール

職務経歴書の形式は決まっていないものの、自分の経歴やスキルを伝えるという目的を踏まえれば、自ずと書き方は決まってきます。
「基本項目」に加え、シンプルにわかりやすく作成しましょう。

職務経歴書の書き方のルール

  • 読みやすさを重視すれば、手書きでもPCで作成したものでもOK
  • 用紙のサイズや枚数は自由。A4(またはA4サイズ2枚分のA3)かB5が無難。
  • 施設名や資格名等は正式名称で書く


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介護職の職務経歴書の書き方

ここからは、介護職に特化して職務経歴書の書き方を解説します。

日付・氏名

日付は作成した日ではなく、提出する日を記入しましょう。
面接時に提出する場合は面接日、郵送する場合はポストに投函する日付を書きましょう。

また、日付の書き方は西暦(20〇〇年)でも和暦(令和◯年)のどちらでも良いですが、他の提出書類と表記を統一するようにしましょう。

職務経歴

職務経歴の欄には以下の項目を記入します。

職務経歴に記載する内容

  • 在籍期間
  • 勤務先の法人の正式名称
  • 所属した施設の正式名称、入居者数(介護施設などの場合)
  • 勤務職種(介護職・ケアマネジャー等の職種やチーフ・リーダー等の役職)
  • 雇用形態
  • 業務内容
  • 勤務先の事業内容(介護施設以外の場合)


応募時に在職中の場合は、在籍期間の箇所にわかりやすく記載する必要があります。
もし採用になった際、いつから勤務開始できるのかは採用する側にとっても重要だからです。
現在も勤めているなら、働き始めた日から「~現在」、退職予定日が決まっているなら、「~令和◯年◯月(退職予定)」と書きます。

また、業務内容の欄は、可能な限り具体的に書きましょう。
例えば「要介護度3~5の方が約30名入居する施設」や「スタッフ10人に対するリーダー業務」など、具体的な数字を入れられると説得力が増します。

自己PR・志望動機

自己PR欄・志望動機欄では、自分の経験や実績を元に介護職としての強みを書きます。
全体で300文字以内にまとめ、自分なりのエピソードを加えると、リアリティがあり伝わりやすくなりますよ。

自己PR・志望動機に記載する内容

  • これまでの経験や実績、スキルの要約
  • アピールポイント、強み
  • 今後のキャリアプラン


タイプ別職務経歴書のポイント

職務経歴書には、主に編年体式に書く方法とキャリア式に書く方法があります。
書き方の指定はないケースが多いので、自分にとって書きやすい方法で記述することができます。

ここからは、それぞれの書き方を解説します。

編年体式職務経歴書

編年体式とは、これまでの職歴を時系列でまとめていく形式のこと。

時系列でわかりやすく、羅列されているのが特徴で、職務経験が短い人や介護職以外の職場を経験してきた人におすすめです。

キャリア式職務経歴書

キャリア式とは、これまでに経験してきた職種ごとに経歴をまとめていく形式のこと。
転職回数が多い人や専門的な業務の経験がある人、介護業界でキャリアアップしてきた人などにおすすめです。

キャリア式では自分がアピールしたい資格や経歴から記載していくのが、一般的な書き方です。
どのくらいの期間の経験か、どんな順番で今に至るのかがわかりにくくなってしまうというデメリットもありますので、それぞれの職歴ごとの年月をきちんと書くようにしましょう。

職種ごとにまとめづらい場合は、「〇〇に関する業務」というまとめた書き方でも問題ありません。
読み手にとって分かりやすい表現を心がけてください。
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介護職の職務経歴書のコツ・注意点

ここからは、職務経歴書を書く上でのコツや注意点を解説します。

採用担当者が「会いたくなる」職務経歴書を

職務経歴書には枚数制限や手書き・PCの指定などはなく、自由に書くことができますが、常に読み手の立場を意識しましょう。
読み手である採用担当者は、自社に貢献できる人材であるかどうかを見極めようとしています。
読みやすさはもちろん、「面接で会ってみたい」「一緒に働いてみたい」と感じてもらう必要があります。

必要以上に長かったり、アピールしたい点がわかりにくい職務経歴書にならないように気をつけましょう。

具体的に記入する

自分の経験やスキルを最大限アピールするために、具体的に伝わるよう数字やエピソードを加えましょう。

例えば「介護リーダー経験あり」と書くだけでは具体的なイメージがしづらいですが、「スタッフ10人ほどのチームで3年間介護リーダーを務めた」と書けば読み手にきちんと伝わります。

他にも、「いくつかの業務改善策を提案し、職場全体の作業効率を高めた」と書くよりも、「役割分担やシフトが不明確だったため、各スタッフの役割を30分ごとに記したシフト表を作成。スタッフ同士の引き継ぎがスムーズになりケアの質も向上した」と書いた方が具体的な内容になります。

介護職は対人の仕事のため、抽象的な内容の職務経歴書が多い傾向にあります。
定性ではなく定量を意識し、具体的に書くと好印象を与えられますよ。

ポジティブな表現で作成する

ネガティブな要因から転職を考える方もいますが、それをストレートに書いてしまうと、読み手の印象はよくありません。
「うちの会社に入っても、同じように不満を持つのでは?」と思われてしまう可能性があります。

そのため、ポジティブな表現に言い換えると、良い職務経歴書になります。

例えば、残業が多く体力的な理由で退職した場合は、「余裕を持って働くことで質の高い介護を提供したいと思ったから」等と前向きな表現に変えてみましょう。

書き終えた後にしっかり見直す

書いている最中にいいと思って書いた内容も、読み手の目線に立って読んだり、少し時間を置いて読んだりすると、わかりにくい箇所を見つけることがあります。

職務経歴書は時間に余裕を持って作成し、必ず読み直して修正すべき箇所がないかチェックするようにしましょう。
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採用担当が職務経歴書を見るポイント

最後に、採用担当が職務経歴書を見る際のポイントについて紹介します。

これまでの経験とスキル

転職は新卒採用と違い、何らかの社会人経験や職務経験を期待されています。
介護職では、無資格・未経験でも応募できる求人も多いですが、それでもこれまでの仕事で得たスキルや経験は活かせるはずです。

職務経歴書では、どのような経験が転職先で発揮できる能力であるかを意識することが大切です。
自分の経歴について、なるべく具体的に、施設形態や利用者数、自分が行ってきた業務内容等はきちんと書くようにしましょう。
介護職としての経験はもちろん、それ以外の職種であったとしても同様です。

しっかり自社のことを分かってくれているか

職務経歴書はあくまでも転職者のこれまでを記入する書類ですが、採用担当は転職者がアピールしている点が自社と合っているかを確認しています。

例えば、デイサービスに転職を希望しているのに、前職での夜勤時の見守りのことをアピールしたとします。
デイサービスではそのようなスキルを活かせる場面がほとんどありません。

しかしながら、夜勤時だけでなく日中でも、見守りは介護において重要なスキルです。
デイサービスの業務内容にも活かせることをしっかり論理的に伝えられれば、決して悪い印象にはなりません。

ただ単にチグハグな職務経歴書になっていると、自社のことを何も知らずに応募しているのではないか?と思われてしまいます。
自分のアピールをする前に、きちんとその会社のことをリサーチするようにしましょう。

向上心はあるか

多くの採用担当者は、長く勤めてくれる人材を採用したいと考えています。

魅力的なスキルと十分な経験があっても、さらに重要なのはやる気や向上心です。
入社した時点で完璧な人材よりも、これからも成長していくことが大切なのです。

転職希望者のやる気や向上心を見るため、採用担当者は自己PRの欄の充実度をチェックしています。
職務経歴書の自己PR欄で、自分の熱意を相手に伝えましょう。
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まとめ

介護職の職務経歴書について解説してきました。

職務経歴書は、その後に行われる面接や採用に大きく影響する書類です。
ポイントを押さえながら、わかりやすさと自分の強みやアピールポイントを重視して作成しましょう。
採用担当がどのような視点で職務経歴書を見ているのか、読み手の視点を意識することも大切です。

チャームケアでは、毎年たくさんの転職者が入社し、それぞれの強みを活かしながら活躍しています。
「介護で転職先を探している」という方は、ぜひチャームケアも転職先の候補に入れてくださいね。

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