人手不足の介護業界の抱える3つの理由

あらゆる業界で「人手不足」が問題視されている現代。
特に人手不足が深刻なのは、運送業界・建築業界、そして介護業界といわれています。

では、なぜ介護職は不足しているのでしょうか?
また介護職の人手不足は、今後どのように変化していくのでしょうか?

まずは介護業界の抱える人手不足の3つの理由を解説していきます。
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少子高齢化

日本は類を見ないスピードで高齢化率(総人口に占める高齢者の割合)の上昇が進み、2021年9月現在国内の高齢化率は29.1%となっています。

高齢化率は今後もさらに上昇することが予想され、特に2025年には「団塊の世代」と呼ばれる第一次ベビーブームの時期に生まれた800万人が後期高齢者(75歳以上)となり、当面の間は、介護が必要な高齢者が増加していくことが予想されています。

またこの問題の他に日本が抱えているのが少子化問題。

少子化は女性の社会進出やライフスタイルの変化などにより、出生率が減り続けていることに起因している問題のこと。

日本では今後さらに少子化が進むことにより、働き盛りの世代である生産年齢人口(総人口のうち15〜64歳までの人口の割合)が減少し、少ない働き手で高齢者の世代を支えていかなくてはなりません。

少子高齢化は、介護を取り巻くサービスの需要と供給のバランスを崩し続けてしまうため、介護職の人手がさらに不足すると言われています。

離職率が高い

介護労働安定センターが毎年発表している「介護労働実態調査」によると、介護業界の離職率は14.9%。
(※調査期間は令和元年10月1日から令和2年9月30日)

2007年には21.6%だったため、当時と比べると改善されていますが、現在も比較的離職率の高い業界だと言えます。

介護の仕事は、ご利用者様やご入居者様の一番近くで直接関わり、多くのやりがいを感じられる仕事である反面、職場の人間関係にストレスを感じたり、身体に負担がかかることもあります。
職員にも、ご家族様にも、様々な人がいるので、コミュニケーション面で苦労する人も多いです。

そのため、結婚・出産・育児等のライフステージの変化を理由に離職するケースが多い仕事なのです。

実際に「介護労働実態調査」の介護人材の不足理由では、2番目に「離職率が高いこと(定着率が低いこと)」が多くなっています。

※離職理由TOP5が気になる方はこちらを合わせてチェック!

採用が困難

「介護労働実態調査」で、介護人材の不足理由第1位は「採用が困難であることとされています。

人手不足を感じている事業所のうち86.6%の事業所が回答し、またその原因は「他産業に比べて労働条件等がよくない」「同業他社との人材獲得競争が激しい」と回答しています。
数多くの事業所が、採用難を感じているのです。

実際に、介護業界の有効求人倍率は4.53倍(2021年度)で売り手市場が続いている状況。
そのため同業他社との人材獲得競争が激しく、人手が不足していることがわかります。

介護業界の人手不足解消のための取り組み

ここまでは、介護業界の人材不足の理由をお伝えしました。
では、人材不足解消のためにどのような対策が行われているのでしょうか?

ここからはチャームケアが行っている取り組みを4つご紹介します。
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介護業界の人手不足解消1|IT導入

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介護スタッフ一人一人の負担を減らし、働きやすい職場環境を整えていくため、チャームケアでは情報システム課を中心に、積極的にIT技術を活用しています。

さまざまな場面にITの活用をしていますが、特に現場の働きやすさが向上したのが介護記録の電子化。

全ホーム、全スタッフにタブレットを配布し、システムを導入しました。

導入当初は操作に慣れず不安の声もありましたが、手書きで行っていた業務の手間が省けて残業が少なくなったり、業務の進捗を共有し合うことでスタッフ間の協力体制が強まったりと、良い変化が。

今では日々のケアのため、タブレットがなくてはならないものになっています。

※こちらも合わせてチェック!

介護業界の人手不足解消2|柔軟な働き方に対応

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スタッフの働きやすさを整え人材不足を解消するため、正社員以外の働き方を充実させることにも取り組んでいます。

時間給社員夜勤専従産休・育休などの子育てにまつわる休暇制度といった、さまざまな働き方があります。

もし正社員以外の働き方がなかったら、生活スタイル等の変化により、チャームケアで働き続けることが叶わなかったスタッフも数多くいたでしょう。
こういった制度のおかげで、ライフステージや生活スタイルが変化しても、現場で活躍し続けることが可能になりました

柔軟な働き方が受け入れられていることで、ワークライフバランスが充実し新卒入社の方々からも「安心して入社できた」という声をいただいています。

※正社員以外の働き方についての詳細はこちら。

介護業界の人手不足解消3|定年年齢の引き上げ(65歳)

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60歳以上のスタッフも活躍できるよう、定年年齢を65歳まで引き上げました。

通常よりも定年退職が5年延ばせるようなイメージで、65歳まで勤務時間や給与の変動はなし。
もちろん賞与も支払われます。

さらに定年を過ぎても75歳まで嘱託社員としての活躍が可能。
定年を迎えても、まだまだ元気で働く意欲の高い方もいます。
経験やノウハウの蓄積を考えると、「まだまだやれるのに…」と周りから惜しまれながら介護現場を去るのはもったいないですよね。

ベテラン社員が現場にいてくれることで、ホームの若手スタッフも安心して働けるというメリットがあります。
そのスタッフが持つ豊富な経験やノウハウを失わず、現場で受け継いでいけることは、ホームや会社にとっても非常にありがたいことです。

介護業界の人手不足解消4|外国人採用

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チャームケアでは、株式会社ONODERA USER RUN様と協業して、外国人スタッフの採用にチャレンジしています。

株式会社ONODERA USER RUN様は、特定技能に特化した人材紹介会社と登録支援機関。
高齢化社会における日本の人材不足に対する社会貢献を目指し、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、カンボジアで自社学校を運営し、18〜25歳の方を中心に無償での教育を実施しています。

チャームケアでは、2021年8月からミャンマー人スタッフの採用をスタート。
ミャンマーは仏教国ということもあり、祖父母や家族はもちろん、年長者を大切にすることが徳を積むという価値観があります。
そのため、日本で介護の仕事をしたいと希望する方も多いのです。

現在はコロナ影響で入国を見合わせていますが、5名のミャンマー人スタッフの採用が決まっています。

今後も人材不足解消と外国人スタッフの夢のため、そしてスタッフの家族にも幸せになってもらうことを目指しています。

※株式会社ONODERA USER RUN様のインタビュー記事はこちら。

介護業界の人手不足解消のためのチャレンジ

ここまで、介護業界が人材不足と言われる理由と、それに対するチャームケアの対策や取り組みについてご紹介してきました。

業界全体が「人材不足」と聞くと、不安に思う方もいるかもしれません。
しかし視点を変えてみると、これからさらに多くの人が活躍できる余地があり、人種や年齢を超えて力を発揮できる業界と捉えることもできます。

あなたもチャームケアの一員として、一緒に人材不足解消にチャレンジしてみませんか?
これからも、さらに働きやすい環境を目指していきます。
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