介護業界においてeラーニングを活用するメリットとは。介護職に必要な理由を解説

介護現場でのeラーニングとは

コロナ禍をきっかけに、一堂に会して行う集合研修の開催が難しい状況が続きました。その結果、オンライン上で行う研修やeラーニングへのニーズが高まりました。

現在ではその効率の良さや利便性に注目が集まり、介護業界においても、これまで同様の集合型の研修とオンラインやeラーニングを活用した非集合型の研修を併用する企業・事業所が増えています。

介護業界においては、eラーニングだけでは完結できない実務内容を含む研修もあるため、内容に合わせて上手く活用する現場が多いことも特徴です。

介護職にeラーニングが必要な理由

介護業界にとってeラーニングの活用は、今後の介護業界を左右する重要なポイントといっても過言ではありません。なぜeラーニングが介護職にとって必要なのか、確認していきましょう。

eラーニングが人手不足の負担を軽減する

介護スキルを上げるためにも研修への参加は必要不可欠ですが、集合研修に参加する場合、抜けてしまうスタッフの穴を埋める人員の調整が負担になることもしばしばです。
パートなど限られた時間で働いている介護スタッフにとっては、遠方で開催される集合研修へ参加すること自体、難しいケースもあるでしょう。

PCさえあれば手軽に学習できるeラーニングは、現場の実情を踏まえた現実的かつ効率的な研修ツールのひとつ、と位置付けられます。

介護スタッフの離職率低下に役立つ

ご入居者様の役に立ちたい、快適な生活のサポートをしたい、と熱意をもって介護業界に飛び込んでも、忙しさから当初の目標を見失ってしまうケースも少なくありません。

介護スタッフのなかには、自身の成長に仕事のやりがいを感じる方もいるでしょう。
以前よりもスムーズに介助業務が行えるようになった、介助に安定感が増しご入居者様からも信頼を得ることができるようになったなど、介助スキルの向上によりやりがいを感じる場面が増えることは、仕事における充実度が増し、離職率の低下にもつながります。

eラーニングを通して介護に関する知識を増やし、日々の実務を通して介助スキルが向上することで、成長スピードを加速させることも可能です。

介護現場におけるeラーニングのメリット・デメリット

実際の介護現場におけるeラーニング導入のメリット・デメリットを、それぞれ確認しておきましょう。

メリット1：シフト調整が不要で、気軽に参加できる

集合研修とは異なり、eラーニングを行うためのシフト調整は必要ありません。参加する側も、研修で不在にすることを気にすることなく、仕事の合間に、ご自身の都合の良い時間でeラーニングを行うことができます。

また、eラーニングは複数回受講することができるため、内容が一度で理解できなかった場合には、何度でも動画を視聴できます。分からないところを分からないままにすることがないため、理解度が高まります。

メリット2：法定研修を含めた豊富なコンテンツを用意できる

介護施設や事業所では提供する介護サービスに応じて、受講が義務付けられる研修が法定研修として定められています。例えば、認知症や認知症ケアに関する研修や高齢者虐待防止に関する研修などの法定研修も、eラーニングで実施することが可能です。

また、介護職は常にスキルアップが求められる職種でもあります。eラーニングのコンテンツをアップデートすることで、新人だけでなく中堅以上の介護スタッフもキャリアアップの一助となる利点があります。

メリット3：集合研修よりも低コスト

集合研修の場合、研修を実施する会場費や対応するスタッフの人件費が必要ですが、eラーニングを活用した研修の場合、それらの費用は不要です。
eラーニングで研修を実施することは、低コストかつ現場の負担軽減にもつながります。

メリット4：eラーニングを用いた研修は進捗管理が簡単

前述した法定研修は、その実施が介護報酬の加算において算定条件とされています。eラーニングで法定研修を実施することは、進捗管理が一括で行えるメリットがあります。

個々の介護スタッフがどの程度eラーニングを受講しているかも、マネジメント層がタイムリーに確認できるため、人材育成だけでなく、人事評価においても活用が可能です。

※教育研修課で課長代理を務める長瀬さんへのインタビュー記事はこちら。

「学びが楽しいと思ってもらえる研修」をモットーに全力投球。資格を武器にキャリアサポート - チャームPOINT（チャームポイント）｜介護で働くリアルを伝える情報メディア

2024年8月、人材開発課から教育研修課へ異動され、課長代理を務める長瀬大樹さん。「研修という立場から、再度現場のスタッフをサポートしていきたい」と語ります。今回は、異動の経緯や研修業務への想い、現在担当されている仕事やこれからの目標についてお話を伺いました。

デメリット1：実務を学ぶ場合、理解が不十分になってしまう場合がある

介助業務では、実際に体を動かして実務を学ぶケースもあります。体重移動やご入居者様・ご利用者様の体に極力負担をかけないコツなど、体験してみて初めて気づくこともあるでしょう。

eラーニングは視聴がメインとなるため、その場で実践できないというデメリットがあることは理解しておきましょう。

デメリット2：研修参加者同士の情報共有が難しい

集合研修では、同期や年次の近い介護スタッフが集まることが多いため、研修に参加することで、交流を深めることができます。悩みを相談したり、それぞれのホームの情報を共有したりすることで、得られる発見もあるでしょう。
切磋琢磨する仲間、お互いに高め合える存在と出会える可能性があります。

eラーニングは個々が都合の良い時間で受講するため、参加者同士の交流は行われない点に注意が必要です。

チャームケアの充実した研修制度は参加者からも好評

チャームケアは新入社員研修に始まり、年次ごとにカリキュラムを吟味したうえで、定期的に研修を行っています。介護職が未経験の方でも、安心して入社いただける充実した研修内容は参加したスタッフからも定評があります。

講義形式だけではなく、ロールプレイングやグループワークなど、全員参加型のコンテンツを用意して、より多くの学びがあるように工夫しています。
また、eラーニングも積極的に活用し、効率良くスキルアップできる環境が整っていることもチャームケアの自慢です。

※研修をリニューアルした際のインタビュー記事はこちら。

3年次研修を大幅リニューアル！キャリア教育をプラスし、介護職の魅力を再認識する機会に - チャームPOINT（チャームポイント）｜介護で働くリアルを伝える情報メディア

チャームケアは今年、入社3年目を対象とした「3年次研修」を大幅に刷新しました。研修内容の改定を担当した人材開発課で課長代理を務める長瀬大樹さんに、リニューアルの狙いや、込めた思い、3年目に期待することなど、お話を伺いました。

より良い職場環境を提供するために

チャームケアは、eラーニングを含めた研修を充実させることで、現場スタッフによる指導等の負担を軽減する取り組みを積極的に行ってきました。一方で、研修だけではどうしても補いきれない細かな介護技術の習得については、現場の先輩スタッフが丁寧にレクチャーする風土も醸成されています。

働きやすい職場環境の実現に注力するチャームケアで、介護スタッフとしてやりがいのある毎日を過ごしてみませんか。

この記事の監修・アドバイザー

大野世光（おおのひろみつ）

2017年10月1日、株式会社チャーム・ケア・コーポレーションに入社。
介護系大手企業でスーパーバイザーなどを歴任し、
チャーム・ケア・コーポレーションのホーム長を経て、
教育研修室にてスタッフの教育を実施。
2022年7月から、教育研修部副部長兼介護DX推進課長に就任。
介護支援専門員資格、社会福祉主事任用資格を所持。