介護職は体力的にきついって本当?

全国の介護保険サービスを提供する事業所や施設で働くスタッフを対象とした「令和4年度 介護労働実態調査」(介護労働安定センター実施)によると、労働条件等の悩みや不安に関して、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」と回答した人の割合は29.8%でした。

実態調査では、介護関連サービスに携わるスタッフの約3割が、体力的な不安を抱えていることが分かります。その理由として、例えば入居型老人ホームの介護職は、入浴や排泄など、ご入居者様の日常生活をサポートする業務において、体力を必要とすることが挙げられます。

一方で、同調査によると、介護関連サービスに従事しているスタッフの平均年齢は48歳という結果が出ており、近年セカンドキャリアとして介護職が注目されていることとも一致します。活力あふれる20~30代ではなくても、働き方や働く場所によって、介護職として活躍する人が増えていることがわかります。

参照:令和4年度介護労働実態調査「介護労働者の就業実態と就業意識調査」

介護職が体力的に負担を感じる3つの理由

介護の仕事に就いている人は、具体的にどういった理由で体力的につらいと感じているのでしょうか。その理由を確認していきましょう。

1:介助やケアなど、身体全体を使う業務が多い

入浴や排泄介助は、ご入居者様が安定した姿勢で入浴や排泄ができるよう、身体をしっかりと支える必要があります。ときには、自分よりも大柄なご入居者様をサポートすることもあるため、体力的に大変だと感じる人もいるようです。

介助業務以外にも、食事の配膳や車いす移動、レクリエーションのサポートなど、身体全体を使う業務も多いため、介護職は一般的な事務職よりも体力を必要とする職種と言えるでしょう。

2:夜勤を含むシフト制で生活リズムが乱れやすい

介護付有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの入居型の介護施設では、勤務形態は夜勤を伴うシフト制が多く見られます。3~4日働き、1日休むといったルーティーンの中で日勤・夜勤をこなすため、慣れるまでは身体に負担を感じる人が多いようです。

また、夜勤は日勤よりも勤務人数が少ないため、必然的に1人で担当する業務範囲も広くなりがちです。体力面だけでなく、精神的にも負担に感じる可能性があります。

3:休日出勤や残業をお願いされるケースがある

介護職に限ったことではありませんが、スタッフ自身や家族の体調不良などでシフトの穴埋めが必要になり、急に出勤をお願いされる場合があります。「人」を相手にするサービスのため、トラブルなどイレギュラーな対応で、残業になってしまう日もあるでしょう。

残業が常態化している、人手不足が深刻な事業所や介護施設に勤めるスタッフは、体力的にしんどいと感じてしまうかもしれません。
 (11354)

介護職が精神的に負担を感じる理由

仕事をしていると、多かれ少なかれストレスを感じることでしょう。介護職ならではの精神的なストレスにはどのようなものがあるか、確認していきましょう。

関係者が多く人間関係でストレスを抱えやすい

介護職は、ご入居者様をはじめ、ご入居者様のご家族様、同じ事業所や施設で働くスタッフ、看護師、外部業者など、たくさんの関係者とのコミュニケーションを必要とする職種です。

ご入居者様それぞれの事情を鑑みたり、スタッフ同士でこまめに連携を行ったりと、各方面への配慮を要する場面も多くあるため、精神的にストレスを感じる人もいます。

介護方針の不一致

たとえば、ご入居者様に快適に過ごしていただくため、できるだけ寄り添った手厚い介護をして差し上げたいと考えているスタッフと、効率良く介護業務を進めたい方針の法人や事業所では、介護方針が一致しない可能性もあります。

理想と現実のギャップに、モヤモヤしてしまうケースがあるかもしれません。

臨機応変な対応を求められる

ご入居者様の体調は刻々と変化します。いつもマニュアル通りの同じ対応では、対処しきれないこともあるでしょう。
それぞれのご入居者様の体調や、ご要望に合わせて臨機応変な対応が求められるため、ルーティン業務を得意としている人にとっては、精神的な負担になる可能性があります。
 (11356)

介護職で体力に限界を感じたときの解決策3案

年齢を重ねるにつれ、介護の仕事がしんどいと感じることがあるかもしれません。身体への負担を軽減する解決策をご紹介します。

1:正確な介護技術でケアにあたる

ご入居者様の身体を支える場面が多く、負担のある姿勢が続くことが原因で、腰痛に悩まされる介護職員は少なくありません。身体に痛みを感じる場合は、「介護職員初任者研修」で学んだ理にかなった身体の使い方を思い出し、正しい介護技術でケアにあたると良いでしょう。

2:介護DXなど福祉機器を活用する

近年では、介護業務にかかる負担の軽減につながる福祉機器を、積極的に活用する事業所や施設が増えてきました。

ご入居者様のお食事を配膳するロボットや、ご自身で寝返りが難しい方にエアの力で寝返りを促す自動体位変換器が、スタッフに代わり介護業務の一旦を担うものです。

福祉機器の導入にはまとまった費用がかかるため、事業所や施設によって導入の進度に違いが見られます。在籍している施設での活用が思うように進まない場合は、積極的に介護DXへの取り組みを行っている企業を探し、思い切って転職を検討してみても良いでしょう。

※シニア世代も介護職で活躍できる理由を解説した記事はこちら。

3:疲労が蓄積しづらい身体づくり

介護職は、一般的な事務職よりは身体を使う仕事です。日々の疲れは入浴やストレッチ、マッサージなどで、溜まらない工夫を心がけましょう。

また、日頃からランニングやヨガなど基礎体力を高める軽めの運動を行い、疲れにくい身体を作っておくことも大切です。無理のない範囲で筋力トレーニングを併用して行うと、介護業務での身体への負担軽減にも役立ちます。
 (11351)

チャームケアなら体力に自信がなくても大丈夫!

チャームケアは、介護業務の負担を軽減する介護DXに積極的に取り組んでいるため、体力に自信のない方も働きやすい職場環境です。
計画的な有給休暇の取得を推奨しており、希望休暇を取りやすい風土もあるため、自身の身体を労わりながら働くことができます。

また、チャームケアでは、体力に不安を抱えがちなシニア世代も活躍しています。65歳の定年を迎えても働ける再雇用制度を活用し、実際に70歳代でも元気に働いているスタッフがいるんですよ!

※チャームケアの介護DXの取り組みについての記事はこちら。

介護職で自信とやりがいを持って働こう!

介護職に興味はあるけれど、体力に自信がなく不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
デスクワークを中心とした事務職と比較すると、介護職は体力を必要とする場面もあります。一方で、介護職の平均年齢が48歳であることからも、体力に自信のある人ばかりではないことが推測できます。

基礎体力をつけることはもちろん、疲れが溜まりにくい身体をつくる、業務負担の少ない職場を探す、自分の働き方に合った業態を選ぶなど、無理なく続けられる介護の仕事を見つけることが大切です。

チャームケアでは、介護スタッフが働きやすい職場環境が整っています。介護職に興味がある方は、ぜひ一度チャームケアが運営するホームをご見学ください。

関連する記事

関連するキーワード

著者