2023年7月からスタートした「アソシエイトリーダー」制度

――アソシエイトリーダー制度について、お聞かせください。

2023年7月から新たにアソシエイトリーダーのポジションを設けました。各ホームには規模や状況に合わせ、リーダーが2〜3名在籍していますが、アソシエイトリーダーはリーダーに続くポジションです。

ホーム運営への貢献度が高く、リーダーをサポートし、ときにはリーダー並みに活躍してくれている、そういった人材に会社として報いたい、頑張っていることを公平に評価したいという想いで、新設しました。

また、リーダーとは異なり、各ホームでのアソシエイトリーダーの人数に制限は設けていません。スタッフの働きに応じてホーム長が推薦、ホームの担当課長が承認する形で決定します。

チャームケアが運営するホーム全体で、現在100名程度がアソシエイトリーダーとして活躍しています。

※前回の山田さんへのインタビュー記事はこちら。

頑張っている介護スタッフに正当な評価を

――アソシエイトリーダーの新設に至った経緯を教えてください。

介護業界は長らく人手不足が叫ばれている業界です。介護保険制度が2000年からスタートして20年が経過しました。その間も、少子高齢化は進み、労働力は日本全体で減少が続いています。

一方で、近年は景気も回復し、国も賃金を上げていこうという政策を押し出すようになりました。物価の上昇に伴い、ベースアップを図る企業も増えるなかで、介護業界は若干取り残されている印象があります。

介護業界は民間企業であっても、国から介護報酬をもらっていることもあり公共性が高い業界です。そのため、構造的に職員の賃金を他の業界並みにどんどん上げていくということが難しい環境があります。

こういった状況下でも、チャームケアは介護業界で頑張っている人たちに、その成果として何か還元する方法はないかと考え、生まれたのが「アソシエイトリーダー」制度です。
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DX化の推進で生産性を高め職員に還元

――アソシエイトリーダー制度を通じて、どのように職員に還元するのでしょうか?

主に、介護業務のDX化を中心としたコストの削減を推進することにより、浮いた経費を職員に還元するイメージです。

例えば、介護記録をタブレットで入力できるシステムの導入で、ご入居者様の健康状態がタイムリーかつホームで働くスタッフ全員に共有できるようになり、これまで口頭で伝達していた申し送りの時間がかなり効率化できました。
また、ベッドセンサーの導入で、各お部屋にスタッフがお伺いする訪室を割愛することにより、ご入居者様にも自室でゆっくりと夜の時間を過ごしていただけるようになり、かつ効率化も図れています。

ご入居者様は現役をリタイアされ、これまでの資産と年金などの収入がメインの方が大半を占めます。スタッフの賃金を上げるために、収入の増加が見込めないご入居者様の利用料を上げることは難しいのが実情です。

DX化は、単にコストを削減し効率化を図るだけでなく、ご入居者様に快適な生活を提供しつつ、スタッフの業務負担を軽減する意図もあります。

チャームケアは、ご入居者様に介護スタッフが寄り添い丁寧に対応する、人の温かさを大切にしながら、介護業務の効率化により人手不足を補う取り組みに注力しています。

※チャームケアが積極的に取り組む介護DXについての記事はこちら。

アソシエイトリーダーの新設は少数精鋭プロジェクトの一環

――2023年から取り組まれている少数精鋭プロジェクトとは、どのようなプロジェクトですか?

職員の給与アップを実現するためには、安定して事業を継続する必要があります。そのためにも生産性を高めていかなければなりません。

2023年春からチャームケアが取り組んでいる「少数精鋭プロジェクト」は、先ほど触れた介護業務のDX化や、業務プロセスの改善、スタッフ個々のスキルアップを図るものです。

少ない人数でも、これまで以上に手厚い介護サービスを提供していくためには、個々人の努力も必要不可欠です。現在10人で担当している業務を9人または8人で行い、職員の頑張りを手当という形で、正当に評価することを目指しています。

人が人を見る介護の良さを守りながら、周辺業務を効率化することで全体の業務量を減らし、これまでよりも少ない人数でホーム運営を行う方向性です。
ホームに貢献するスタッフを手厚く処遇するアソシエイトリーダーというポジションの新設は、少数精鋭プロジェクトの一端を担っています。
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アソシエイトリーダー制度で、意識改革と公平性の担保を進める

――アソシエイトリーダーになるための要件などはありますか?

アソシエイトリーダーには、勤続年数や経験年数などの制限はありません。
頑張っているスタッフを公平に評価する意味でも、全国にどんどんアソシエイトリーダーが増えることが理想です。極端ですが、リーダー以外の全員がアソシエイトリーダーでも良いくらいです(笑)。

ホーム運営への貢献度が重要なポイントです。各ホームには2~3名のリーダーが在籍していますが、リーダーではなくてもそれに準じる役割を担ってくれているスタッフや、リーダーを大いにサポートしてくれているスタッフが多くいます。

アソシエイトリーダーは役職ではなく、そういったスタッフへの「期待している」「伸び代がある」「次のリーダーを目指してもらいたい」という会社からのメッセージです。

明確に任命することで、周囲の目も変わり、本人の意識も変わる。ホームに貢献している人ですよ、とアソシエイトリーダーのバッジをつけているようなイメージですね。

リーダーは少しハードルが高いと感じているスタッフも、まずはアソシエイトリーダーを目指して頑張ってもらいたいです。

また、チャームケアでは年に一度、筆記・実技試験、組織貢献度などを鑑みて処遇を検討するキャリアパス制度を設けています。
ただし、昇級チャンスは年1回であり、制度上、新卒も中途採用も最初は同じスタートラインです。アソシエイトリーダーの階段を設けることで、経験豊富な中途採用の方の処遇に対応することもできます。

アソシエイトリーダーの人数には、制限を設けていません。
育休明けで時短勤務や夜勤を免除されているスタッフなどは、勤務時間内の活躍はリーダー並みの貢献度であるにも関わらず、実際にリーダーを務めるとなると「私には無理です」と謙遜する方もいます。そういったケースでも、アソシエイトリーダーをいう制度は活用できます。

アソシエイトリーダーを皮切りに、チャームケアのコアとなる人材の育成につなげたいですね。
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アソシエイトリーダーのこれからの活躍に大いに期待

――現アソシエイトリーダーや、アソシエイトリーダーを目指す人へのメッセージをお願いします。

アソシエイトリーダーになるための研修はありませんが、それに代わる「リーダー候補研修」はあります。

リーダー候補研修の対象は、新卒2年目および中途採用のリーダー候補者の方です。将来、チャームケアの根幹を担ってもらいたい、管理職を目指してもらいたい方たちでもあります。
研修の参加により、切磋琢磨してお互いに刺激を受けてもらえればと考えています。

現在、各ホームにアソシエイトリーダーが続々と誕生しています。今後の活躍に大いに期待しています。

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