介護のお仕事に必要となるレクリエーション。
毎日行うことですので、どうしてもアイデアが足りなくなりがちですよね。
レクリエーションの内容によっては、事前に準備をしたり物品を購入しなければいけない場合もあります。

そこで、今回の記事では、事前準備なく今すぐ実践できる簡単なレクリエーションのアイデアをご紹介します。
あわせて、レクリエーションで注意すべきことや、ご入居者様に楽しんでいただくコツもありますよ。
明日のレクリエーションを何にしようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!

今すぐ実践できる!簡単なレクリエーションアイデア5選

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「レクリエーションって内容を考えるのが難しい」
「事前に準備をしておくのが大変」
そう考えている介護スタッフの方に向けて、簡単に実践できるレクリエーションアイデアを5つご紹介します。

実際に、チャームケアのホームはもちろん、各介護施設で実践されているレクばかりです。
ぜひ参考にしてみてください!

引っ越しじゃんけん

「引っ越しじゃんけん」は、さまざまな人と交流することに有効なレクリエーションです。

用意するもの

椅子

進め方

  1. 向かい合って椅子に座っていただきます(2人1組)
  2. ジャンケンで勝敗を決めます
  3. 負けた方はご自分の席を離れて、他の空いている席へ移動していただきます
  4. 勝った方はそのまま座っていていただき、次に向かいに座った方とジャンケン(くり返し)

アドバイス

  • 自立歩行可能な方が多い介護施設に適しています。
  • 最初にルールをご説明し、負けたら移動することを理解していただきましょう。
  • 急いで移動すると事故の元ですので、お怪我がないようしっかりと見守りましょう。


比較的、介護度が低いご入居者様の多いホームでは、介護スタッフは司会進行役に専念できるのでスムーズに進めやすいレクリエーションです。
ご入居者様のご様子をよく見ていると、負けたときに移動する場所は、仲の良い方のいるところが多いとわかります。
観察していると、ご入居者様の人間関係も把握できますよ。

まわしてドカン

「まわしてドカン」は、コミュニケーション促進に有効なレクリエーションです。

用意するもの

ボール・椅子

進め方

  1. 椅子を円形に並べて座っていただきます
  2. ボールを爆弾の代わりに持っていただきます
  3. 椅子取りゲームのように音楽を流して、音楽が流れている間ボールを順番に横に回していただきます
  4. 音楽が終わったとき(職員が音楽を止めた時)にボールを持っていたご入居者様が「ドカン」
  5. 最後にボールを持っていた方には、好きな食べ物などを言っていただきましょう

アドバイス

  • はじめる前に「ドカン」のときに言っていただく内容をご説明しましょう。
  • 歌は「うさぎとカメ」等どなたにも馴染みのある音楽がおすすめです。
  • 様子を見てボールの数を増やすと盛り上がりますよ。


音楽は、ご入居者様に馴染みのある、ご一緒に歌っていただけるような曲にするとなお良いでしょう。
歌いながら回していただくと、同時に手と口を動かすことになるので、難易度がアップしますよ。

ジャンケンリレー

「ジャンケンリレー」は、参加人数の多い場合により楽しめるレクリエーションです。

用意するもの

椅子

進め方

  1. 椅子を2列に向かい合わせて並べます
  2. 2チームに分かれ、お互いに向き合って椅子に座っていただきます
  3. ボールをお互いのチームの端の人に持っていただきます
  4. ボールを持っている人同士でジャンケンをしていただきます
  5. 勝ったチームはボールを横の人に渡します
  6. 先にボールを端から端まで移動できたチームの勝ちです

アドバイス

  • 「ジャンケンに勝ったら進む」「負けたら進めない」というルールをしっかりと伝えましょう。
  • 「負けたら一つ戻る」など、ルールを付け加えると白熱します。
  • 1チーム10人くらい、1回15分程度が目安です。


ご入居者様の自立度にあわせて、ルールを追加し難易度を調整すると、盛り上がりますよ。
一度にさまざまな要素を考えることは、脳の活性化につながります。

おあいこジャンケン

「おあいこジャンケン」も、どなたにも馴染みのあるジャンケンを用いたレクリエーションです。

用意するもの

椅子

進め方

  1. 2人1チームで向かい合って椅子に座っていただきます
  2. ジャンケンをします
  3. あいこになったらそこでおしまいです
  4. 違うものが出たらあいこになるまで何回も続けましょう
  5. 全てのチームがあいこになったら終了、早く終わったチームの勝ちです

アドバイス

  • ジャンケンは全員同時にスタートしましょう。
  • あいこ1回ではすぐに終わるので回数を徐々に増やしていきましょう。
  • 3人組などにするとさらに難しくなりますよ。


ジャンケンは、司会進行役のスタッフが大きな声で音頭をとって、一斉にはじめましょう。
あいこの回数を増やしたり、グループの人数を増やすと、回数を数えるなど新しい要素が加わり、より頭を使うレクリエーションになります。

億万長者ジャンケン

「億万長者ジャンケン」は、お金をテーマにしていることもあり非常に盛り上がるレクリエーションです。

用意するもの

1万円に見立てたお札

進め方

  1. 2人1組になっていただきます
  2. 1チームあたり、1万円札5枚=5万円を配ります
  3. お2人で相談していただき、5万円を分けていただきます
  4. 他の組の人とジャンケンをしていただき、勝ったら1万円ゲット
  5. 最後に二人のお金を集計しましょう
  6. 金額が多いチームの勝ちです

アドバイス

  • 2人組にすることで、自然にコミュニケーションを増やすことができます。
  • 途中でお金がなくなったら同じチームの人に分けてもらいましょう。
  • 金額を増やすと長時間楽しむ事ができます。
  • 最後はチームで集計することをしっかりとお伝えしましょう。


チーム内でのお金の分配や、お金が足りなくなったときの対応には、おふたりの普段の会話を垣間見ることができます。
介護スタッフとしては、ご入居者様同士の関係性を把握しておきたいところですので、ご様子を見てみましょう。

ジャンケンを利用したレクリエーションが最も手軽で簡単

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すぐに使えるレクリエーションアイデアとして、5つのレクリエーションをご紹介しました。

簡単にできるレクリエーションといえば、やはりジャンケンを利用したものが多いですね。
ジャンケンは、どの年代の方でもご存知で、道具や事前準備の必要もなく簡単に行えるのがメリットです。
同時に、手や指の体操にもなりますので、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

レクリエーションを盛り上げるたった1つのコツ

ホームでのレクリエーションは、ご入居者様に日々を楽しんでいただくとても大切な時間です。
「どうすれば楽しんでもらえるだろう?」と頭を抱えるスタッフの方も少なくないでしょう。

レクリエーションを盛り上げ、ご入居者様に楽しんでいただくためのたった1つのコツは、自分自身が心からレクリエーションを楽しむことです。

人が楽しんでいる姿を見て、こちらも嬉しい気持ちになった事はありませんか?
介護職にとって「楽しんでいただきたい」という献身的な気持ちはとても大切ですが、進行管理役のスタッフもレクリエーションメンバーの一員です。

スタッフ自身が全力でレクリエーションに取り組み、楽しんでいる姿を見ていただきましょう。
そうすることで、ご入居者様にもレクリエーションに興味関心を持っていただき、楽しんでいただくことができるのです。

レクリエーションを通して得られる3つの良い効果

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レクリエーションは、ご入居者様にさまざまな良い効果をもたらすため、さまざまな介護施設で実践されています。
具体的な効果としては、以下の3つが挙げられます。

・充実感が得られる
レクリエーションを通じてご入居者様同士でコミュニケーションを取ったり、楽しく過ごしていただくことができます。

・身体機能の維持・向上ができる
身体を動かすことで衰えやすい筋力やADLの維持・向上を目的としています。

・季節を感じることができる
春はお花見、夏にはスイカ割り、秋は紅葉狩りなど、季節に合わせた行事でQOLを向上させることができます。

QOLとは…

クオリティ・オブ・ライフの略称。ご入居者様お一人おひとりの人生の内容や質、社会的な「生活の質」を指します。
自分らしく人間らしい生活を送れているかどうかを示す概念です。


レクリエーションで注意すべき4つのこと

レクリエーションは、介護スタッフとご入居者様、ご入居者様同士のコミュニケーション手段のひとつです。

ご入居者様お一人おひとりに個性がありますので、できること・できないことの差があるのは当然ですよね。
そういったことを含めて、全員が楽しくレクリエーションに取り組むために注意すべき4つのことをご説明します。

レクの注意点1|まずは笑顔で!

司会進行する上で「キープスマイル」はとても大切です。

介護職になって初めてのレクなど、多くのご入居者様に注目を浴びて緊張してしまうこともあるかと思います。
楽しむためのレクリエーションなので、まずは笑顔を意識してくださいね。

不安な顔や小さな声で正確な進行をするよりも、笑顔で大きな声を意識して、少し間違っても笑いで乗り切るくらいの気持ちで臨みましょう!

レクの注意点2|ご入居者様の自立をサポートする

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レクリエーションは、身体を動かしたり発声したり、リハビリ効果としての側面を持っています。
ご入居者様への思いやりや優しさは大切ですが、ご入居者様がご自身でできることまでお手伝いすることは、自立の妨げになる場合があるため、過剰なサポートには注意しましょう。

「優しさ=すべてをお手伝いして差し上げる」ということになっていませんか?
「ご自身でできることは、ご自身でしていただく」そしてそのご様子をそばで見守ることこそが介護スタッフとして大事な役割のひとつです。

レクの注意点3|自分に出来ることをやればいい

スタッフの中には、お話が上手でおもしろく、アドリブが効いたレクリエーションが上手な方もいます。
それに対して、「自分は話下手でレクリエーションが苦手だ」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、レクリエーションの内容よりも、あなた自身が楽しむことが最も重要です。

時間をかけて準備をしたレクリエーションよりも、簡単に思い立って実施したレクの方が盛り上がった、などということはたくさんあります。
自分に合ったレクリエーションアイデアを探してみましょう!

レクの注意点4|待ち時間を有効活用する

レクリエーションの開始時刻までにご入居者様にお集まりいただき、時間通りスタートすることが理想ですが、日々のスケジュールの中でどうしても遅れてしまうことはありえます。
そのため、先に来られているご入居者様にレクの開始までお待ちいただくケースもありますよね。

始まるまでの間を有効活用することで、その後のレクリエーションの盛り上がりにつながります。
以下の2つの方法がよく使われますよ。

・音楽をかけておく
できるだけノリのいい曲や馴染みのある曲、思わず手拍子をしたくなるような曲がおすすめです。

・クイズを書いておく
レクリエーションの集合場所にホワイトボードを置き、簡単なクイズを書いておきましょう。
始まるまでの間の時間をつぶすこともでき、脳トレとして活用できます。
ほかにも「今日は何の日」「季節にあったお話」などを書いておけば、ご入居者様同士のお話のネタになっていいですね。

まとめ

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本記事では、今すぐにでも実践できる簡単なレクリエーションアイデアを5つご紹介させていただきました。

レクリエーションは、1つのアイデアで幅広く応用することが可能です。
ぜひご紹介したアイデアを参考にして、ご入居者様と有意義で楽しい時間を過ごしてくださいね。

レクリエーションの内容はもちろん、スタッフが率先してレクリエーションを楽しむことがとても重要です。
スタッフが楽しんでいると、自然とご入居者様もご一緒に楽しんでくださいますよ。

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