新人介護スタッフのモチベーションをアップさせる教育・指導プログラム

介護現場で働く管理職や介護リーダーの方は、新人スタッフの教育・指導に悩みを抱えている方がたくさんいらっしゃいます。
新人スタッフには、仕事のやりがいを感じてもらいつつ、なるべく早く知識とスキルを身につけて独り立ちをしてほしいと願うものでしょう。

ですが、モチベーションを高く保ちながら指導するのが難しいと感じている指導者の方も多いはず。
介護施設では、ご入居者様の日々の生活リズムを守りながら、新人スタッフへの指導を並行して行わなくてはなりません。

教えることに時間と手間をかけられないという指導者の方に向けて、介護現場の新人指導の具体的な方法と、モチベーションをアップさせるほめ方、叱り方のポイントをご紹介します。

チャームケアには約2000人以上の従業員が在籍し、新卒・中途、未経験・経験者を問わずたくさんの新人スタッフが入社します。
スタッフ育成の専門部署である「教育研修室」があり、育成ノウハウが充実しています。

悩める指導者の方にとって役に立つ記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

新人教育で必要な5つのステップ

それでは、新人スタッフや未経験者への教育で必要な5つのステップをご紹介します。

ステップ1|新人教育の育成計画を立てる

まず初めに、指導者側の準備が最も大切です。

教育や指導には必ずゴールがあり、目標とする姿があるはずです。新人スタッフに求める目標や、そのために何を身につけてもらう必要があるかを具体的に設定します。

教育の期間や目標はさまざまです。
入社時研修で、ホームの基本的な業務を覚えてもらう場合は、シフトの出勤回数を踏まえて1~2週間で慣れてもらえるよう考えましょう。

新人から一人前のスタッフへと成長するために、チャームケアでは入社時・1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月…と、きめ細かくステップを分けて研修を実施しています
1年間を3ヶ月毎に区切り、それぞれの期間で小さな目標を設けておき、達成できているかをチェックしていきましょう。

ステップ2|介護現場で見せる、レクチャーする

ステップ1で立てた計画にそって、現場で指導者がレクチャーしていきます。
言葉で説明してもわかりにくい業務は、はじめは指導者が実際に介助している様子を新人スタッフに横で見ていてもらいましょう

「◯◯さんは立ち上がるときに支えてさしあげてね」「こういうときは腰に手を回してサポートしてくださいね」などと、言葉と行動の両方で伝えるのがコツです。
同時に、新人スタッフにはメモを取ってもらい、あとから見返すことができる状態にしましょう。

ステップ3|指導者の模倣(真似)をして実践してもらう

ステップ2で指導者がやってみた姿を覚えてもらったら、今度は実際に新人さんがチャレンジです。模倣するように覚えたことを実践してもらいましょう。

そのとき、必ず指導者は新人さんのそばで見守っていてください
ご入居者様にとって適切な対応なのかを確認したり、新人さんが困っているときにフォローしたりとサポートしてくださいね。

ステップ4|実践後の本人の感想をヒアリングする

1日の終わりには振り返りが必要です。実践したことに対して、本人の話を聞きましょう。

教育という言葉は、一方的に教えるという印象がありますが、目標とするのは新人が育つこと
新人さん本人の気持ちや考えがあってこそ目標が達成できるので、本人がどう感じているかをヒアリングするのが大切です。
難しかったところ、迷ったところについては、「今度からこうしたらいいんじゃないかな」とアドバイスしましょう。

ステップ5|本人の評価をフィードバックする

フィードバックとは、新人さんにアドバイスをしたり、良かったことを褒めたり改善点を伝えるなど、幅広い意味を持っています。
指導者が本人の実践する姿を見た感想を伝え、どのような点に気をつけるべきかをお話しましょう。

慣れてくれば、仕事上のコミュニケーションの一環でスムーズにやり取りできるようになってきます。

また、月1回など頻度を決めて、面談の機会を持つことをおすすめします。
目標に対して今どの程度できているのか、何が必要なのかを伝えましょう。

介護職の新人教育・指導の大切なポイント

教育、指導で大切なポイントは、指導内容がブレないように統一すること。
人によって言っていることが異なると混乱してしまいますので、育成担当者が複数いる場合は新人教育計画を共有しておくとよいでしょう。

誰が、いつ、どこまで教えたかなど、引継ぎを記録していくと、先輩たちの前提情報が統一され新人教育がスムーズにいきます。
チャームケアでは、独自の「OJTハンドブック」を用いて、各スタッフがどこまで技術を身につけたかを可視化しています

※OJTハンドブック、メンター・メンティ制度、個人目標の立て方など、チャームケアのサポート体制をまとめた記事はこちら!
では、ここからは教育・指導においておさえておきたいポイントをご紹介いたします。

教育指導の現場では「叱る」と「怒る」の違いを理解しよう

子どもへのしつけでもよく言われることですが、「叱る」と「怒る」の違いを理解することはとても大切です。

「叱る」とは、相手の間違いを指摘し、説明、きびしく注意を与えること。「怒る」とは、感情が高ぶって怒りをぶつけること。
職場では、感情的に腹を立てて「怒る」ことはせず、冷静に物事を判断し「叱る」必要があります。

指導者にとっては、「つい先日教えたのに…」「何回教えても同じミスをする!」など、自分の指導が活かされていないと感じる場面もあるかと思います。
ですが、感情的にカッとなって怒鳴るようなことは絶対にあってはいけません。

的確に「叱る」ためには、「なぜそうなったのか」の背景をきちんと聞くことが有効です。
単に教えてもらったことを忘れているのかもしれませんし、それとも新人さん自身なりに考えがあったのかもしれません。
理由が分かれば、対処すべきところも理解できますね。

また、叱るときは、あれこれ過去のことを言わずに、その現場で起こったことだけに焦点をあてて説明するように心掛けましょう。

叱る・褒めるで大切なのは本人の理解

入社したばかりの頃は、叱る際には指導者がミスの理由や背景をすべて説明する必要があります。
ですが、しばらく経って慣れてきた頃には、いけないところを伝え、なにがいけなかったのかを自分自身で考えてもらうことも教育方法として有効です。

ミスをした本人が、なにが間違いだったのか、今後どのように対処すればよいのかを認識することが、成長する第一歩だからです。
もちろん、ご入居者様にとって危険なことや、不快なことはすぐにでも対処すべきですが、新人さん自身でじっくり考えてもらった方が、後々の成長につながるというパターンもあります。

考えてもらったあとには、まず必ず本人の考えを聞きましょう。
その意見が正しい・正しくないはともかくいったんは受け入れた上で、指導者としてフィードバックしてください。

人前で叱るのはNG!フィードバックで気を付けること

周囲で同僚が叱られていると、まるで自分が叱られているかのような嫌な気分になり、ホーム全体の雰囲気が暗くなってしまいます。
叱るときは基本的に一対一で、他のスタッフがいない場所を選びましょう
指導者がトラブルが起こった現場を目にしていない場合は、関係者を交えて話すことも有効です。

人前で叱責されることで委縮したり、プライドが傷付いてしまったりする場合もあります。場合によってはパワハラとも捉えかねられません。
マンツーマンで話せる信頼関係を日々構築しておくことが重要ですね。

育成では「褒める」ことが最も大切

教育・指導では、褒めることが最も大切です。叱るばかりでは成長意欲を失ってしまいます。

褒めることは指導者に欠かせないスキルです。
新人スタッフが自信をつけるためにも、毎日なにか褒めることを探す癖をつけるといいでしょう。

「毎日見えにくいところまで掃除してくれて助かるわ」など、実際にやってくれた良いことを具体的に褒めるのがおすすめです。
具体的であればあるほど、新人さん自身も「きちんと自分の頑張りを見てくれているんだ」と励みになりますよ。

介護の現場では実践が大事!成功するOJTとは

OJTとは、「On-The-Job Training」の略称で、実際の現場で業務を通して行う教育訓練のことを指します。

介護の現場では、マニュアルで定義しきれないさまざまなパターンがあるため、OJTがもっとも重要です。
OJTを成功させて新人さんの成長を促しましょう。

成功するOJTとは?

OJTでは、介護技術を教えるだけでなく、コミュニケーションスキルや気配りなども伝えるのがコツです。

お食事の介助、排泄介助、体位変換、入浴介助など、介護そのもののスキルは練習で身につきます。
ですが、介護の仕事はそれだけではありません。
ご入居者様とのコミュニケーション、相手に合わせて接し方を変えること、ご家族様とのやりとり、スタッフ間の連携など、現場でしか伝えられないことがあります。
OJTでは、それらの言語化しにくいスキルこそ重点的に伝えることが成功の秘訣です。

また、OJTの中で、新人さんと深い話までできる関係性になれるといいですね。
職場での悩みを話してくれたり、今後のキャリアについて相談できる関係になれれば、早期離職を防ぐことにつながります。
ホームに馴染むことができ、スムーズに独り立ちしてくれますよ。

介護職の新人さん・未経験者の不安を理解しよう

新人さんや介護職未経験者にとっては、何もかもが初めてです。
OJTで初めて現場を経験する人もいますし、介護系の学校では実習等がありますが、数日間の体験と実際に介護施設で働くのとは全く別物です。

すでに指導者の立場になっている方は、いつもの業務として慣れていることだと思いますが、誰しも初めてのことは緊張するものです。
思っていた内容と違ってギャップを感じたり、ご入居者様とのコミュニケーションがうまくいかなかったりという経験もきっとあったはず。
新人時代を思い返しながら、相手の気持ちに寄り添った指導を心がけてくださいね。

早く一人前になって介護の楽しさややりがいを感じてほしいものですが、本人も不安だということを理解しましょう。
新人さんの気持ちに共感することでモチベーションがアップし、目標達成までの道のりが早くなれば何よりです。

まとめ

今回の記事では、介護現場の研修を担当する指導者の方に向けて、新人さんを伸ばすための育成方法を解説してきました。

新人教育は、未来のホームを支えるスタッフを育てる大切な仕事です。
人手不足が叫ばれる介護業界では、新人教育に力を入れて、長く信頼できるスタッフを増やしたいものです。

そのためには、「怒る」ではなく「叱る」、そしてそれ以上に「褒める」ことを意識してくださいね。

指導者と新人さんが、お互いに現状を理解し成長できるよう、コミュニケーションを取りながら進めていきましょう。

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