介護スタッフから介護DXを推進する立場へ
――福本さんのご経歴をお聞かせください。
2018年4月に、チャームケアへ新卒で入社しました。チャーム尼崎東園田に介護スタッフとして配属され、介護リーダーも経験させていただきました。
2022年、教育研修部へ異動となり、現在は介護DX推進室で介護DXの導入サポートや、介護業務の効率化・生産性向上に関する取り組みを各ホームの介護スタッフと一緒に検討する業務を中心に行っています。
2018年4月に、チャームケアへ新卒で入社しました。チャーム尼崎東園田に介護スタッフとして配属され、介護リーダーも経験させていただきました。
2022年、教育研修部へ異動となり、現在は介護DX推進室で介護DXの導入サポートや、介護業務の効率化・生産性向上に関する取り組みを各ホームの介護スタッフと一緒に検討する業務を中心に行っています。
生産性向上で介護スタッフもご入居者様もハッピーに
――介護DX推進室では、生産性アップを目指す取り組みに注力されている、と伺いました。
生産性向上とは、介護スタッフの業務負担軽減と、ご入居者様に対する介護サービスの質の向上、どちらも実現することを意味しています。介護スタッフだけが楽になって、ご入居者様が不便になるのであれば、それは生産性が向上できているとは言えません。
「介護DX」というワードだけを聞くと、介護機器を導入する効率化を重視した施策という印象を受けるかもしれませんが、介護機器はあくまで手段です。介護業務の改善について、多角的に分析した結果、機器で解決することが一番得策という結果が出た場合に、機器の導入を選択します。
チャームケアの目指す生産性向上は、介護スタッフもご入居者様もどちらもハッピーになる取り組みなのです。
生産性向上とは、介護スタッフの業務負担軽減と、ご入居者様に対する介護サービスの質の向上、どちらも実現することを意味しています。介護スタッフだけが楽になって、ご入居者様が不便になるのであれば、それは生産性が向上できているとは言えません。
「介護DX」というワードだけを聞くと、介護機器を導入する効率化を重視した施策という印象を受けるかもしれませんが、介護機器はあくまで手段です。介護業務の改善について、多角的に分析した結果、機器で解決することが一番得策という結果が出た場合に、機器の導入を選択します。
チャームケアの目指す生産性向上は、介護スタッフもご入居者様もどちらもハッピーになる取り組みなのです。
夜間の見守り支援機器で業務負担が劇的に改善
――具体的に生産性向上のために、どういった取り組みをされているか教えてください。
2021年から導入をスタートしたのが、夜間の見守り支援機器です。
導入前は夜間2時間に一度、安否確認のために介護スタッフが訪室し、ご入居者様の胸の上下を見たり、呼吸音に耳をそばだてたりしていました。
介護スタッフはご入居者様の睡眠の邪魔にならないように、そっとドアを開ける、足音を立てないように歩く、と注意を払っていましたが、それでも廊下の明かりが居室に入ってしまいご入居者様が起きてしまう、ということもありました。
見守り支援機器を導入してからは、アプリでご入居者様の眠りを確認できるようになりました。60室を見回る場合、1時間以上かかっていた業務が10分程度まで短縮されたんです。夜間の訪室にスタッフが手を取られなくなり、業務負担が劇的に軽減できただけでなく、ご入居者様を起こしてしまうリスクもなくなりました。
実際、見守り支援機器が本格導入されるまでは、紆余曲折があったと聞いています。転倒リスクがある方にベッドを離れたらアラートが鳴る設定にしたところ、頻繁に鳴るため訪室回数が増えてしまい、逆に業務効率が下がってしまった、ということもあったようです。
基本アラート以外の設定については【アセスメント目的であれば2週間以内の設定で】と運用ルールを設け、業務負担が増えない施策を取り入れました。アラートの回数はレポートにして各ホームに還元し、現状の設定で問題ないかを、本部も一緒になって定期的に検討しています。
見守り支援機器を導入したことで、新しい発見もありました。
睡眠データを確認できるようになったため、日中元気に過ごされているご入居者様のなかにも、夜の眠りが浅く何度も起きてしまっている方がいらっしゃることがわかったんです。詳しくお伺いすると、「最近、夜中に何度もトイレで目が覚めてしまう」というお話が聞けました。その方は看護師と相談の上、一度受診してみましょう、ということになりました。
比較的お元気で自立されている方は、介護スタッフとの関わりが少なく、些細な体調の変化に気づきにくいことがあります。ご入居者様も「加齢のせいかな」と、見過ごしてしまうケースもあるため、見守り支援機器はご入居者様の健康管理にも一役買っています!
※見守り支援機器についてインタビューした記事はこちら
2021年から導入をスタートしたのが、夜間の見守り支援機器です。
導入前は夜間2時間に一度、安否確認のために介護スタッフが訪室し、ご入居者様の胸の上下を見たり、呼吸音に耳をそばだてたりしていました。
介護スタッフはご入居者様の睡眠の邪魔にならないように、そっとドアを開ける、足音を立てないように歩く、と注意を払っていましたが、それでも廊下の明かりが居室に入ってしまいご入居者様が起きてしまう、ということもありました。
見守り支援機器を導入してからは、アプリでご入居者様の眠りを確認できるようになりました。60室を見回る場合、1時間以上かかっていた業務が10分程度まで短縮されたんです。夜間の訪室にスタッフが手を取られなくなり、業務負担が劇的に軽減できただけでなく、ご入居者様を起こしてしまうリスクもなくなりました。
実際、見守り支援機器が本格導入されるまでは、紆余曲折があったと聞いています。転倒リスクがある方にベッドを離れたらアラートが鳴る設定にしたところ、頻繁に鳴るため訪室回数が増えてしまい、逆に業務効率が下がってしまった、ということもあったようです。
基本アラート以外の設定については【アセスメント目的であれば2週間以内の設定で】と運用ルールを設け、業務負担が増えない施策を取り入れました。アラートの回数はレポートにして各ホームに還元し、現状の設定で問題ないかを、本部も一緒になって定期的に検討しています。
見守り支援機器を導入したことで、新しい発見もありました。
睡眠データを確認できるようになったため、日中元気に過ごされているご入居者様のなかにも、夜の眠りが浅く何度も起きてしまっている方がいらっしゃることがわかったんです。詳しくお伺いすると、「最近、夜中に何度もトイレで目が覚めてしまう」というお話が聞けました。その方は看護師と相談の上、一度受診してみましょう、ということになりました。
比較的お元気で自立されている方は、介護スタッフとの関わりが少なく、些細な体調の変化に気づきにくいことがあります。ご入居者様も「加齢のせいかな」と、見過ごしてしまうケースもあるため、見守り支援機器はご入居者様の健康管理にも一役買っています!
※見守り支援機器についてインタビューした記事はこちら
見守りセンサーの活用で、ご入居者様の満足度を高め、介護スタッフが働きやすい職場を実現 - チャームPOINT(チャームポイント)|介護で働くリアルを伝える情報メディア

介護業界で、見守りセンサーの導入が注目を浴びています。ご入居者様の快適な生活を支え、介護スタッフの見守り業務における負担を軽減する見守りセンサーの役割について、詳しく説明します。
短時間バイト用の手順書は精神的・時間的な負担を軽減
――介護機器の導入以外の、生産性向上につながる取り組みについて、お聞かせください。
一部のホームでは、スキマバイトなどの短時間・単発スタッフを活用しています。そういった初めてバイトに入った方に向けて、介護スタッフが手順書を作成してくださったホームがありました。
ご入居者様ごとの細かな対応や注意事項が記載されていたり、フロア別に部屋の位置が明記されているなど、介護スタッフの指示や説明がなくても動いてもらえるよう工夫されています。
バイトに入る側は手順書を確認すれば良いので「スタッフに何度も聞いて申し訳ないな」と感じる、精神的な負担を軽減できます。また、ホーム側も教える時間が少なくて済むため時間的な負担を減らせる、という両者がWin-Winになる取り組みです。ぜひ、他のホームでも取り入れてもらいたい!と、横展開を検討中です。
※スキマバイトを活用した働き方についてインタビューした記事はこちら
一部のホームでは、スキマバイトなどの短時間・単発スタッフを活用しています。そういった初めてバイトに入った方に向けて、介護スタッフが手順書を作成してくださったホームがありました。
ご入居者様ごとの細かな対応や注意事項が記載されていたり、フロア別に部屋の位置が明記されているなど、介護スタッフの指示や説明がなくても動いてもらえるよう工夫されています。
バイトに入る側は手順書を確認すれば良いので「スタッフに何度も聞いて申し訳ないな」と感じる、精神的な負担を軽減できます。また、ホーム側も教える時間が少なくて済むため時間的な負担を減らせる、という両者がWin-Winになる取り組みです。ぜひ、他のホームでも取り入れてもらいたい!と、横展開を検討中です。
※スキマバイトを活用した働き方についてインタビューした記事はこちら
インターンやスキマバイトから直接雇用へ。チャームケアを知ってもらう貴重な機会に - チャームPOINT(チャームポイント)|介護で働くリアルを伝える情報メディア

チャームケアはタイミーインターンやスキマバイトを活用し、直接雇用につなげる活動に力を入れています。今回は人材開発課の徳田浩平さんと渡部彩さんに、取り組みを始めた経緯やタイミーインターンの実情、実際の成果についてお話を伺いました。
生産性向上には当事者意識を持つことが重要なポイント
――他にも生産性向上を目指した取り組みがあれば、教えてください。
「モノをあった場所に戻さない問題」を解決するべく、美化1グランプリを首都圏のホームを中心に開催しました。
使ったものを本来の場所に戻さなかったことで、使いたいときに見つからず、探し回って時間をロスしてしまう、といったことは、多くの方が日常生活で一度は経験することではないでしょうか。
同じように老人ホームの現場でも、バイタル測定セットをスタッフステーションに置きっぱなしにしたり、ご入居者様の居室に置き忘れたり、と忙しくて元の場所に戻せない、という事態が起こっていました。次に使う人が探し回り、貴重な時間を使ってしまうのはもったいないですよね。
美化1グランプリは、5S活動(「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5要素からなる職場環境を改善する活動)を推進するものです。使ったら元に戻す、当たり前のことを習慣化して、効率化につなげよう!という狙いがありました。
例えば、物品補充をあらかじめ日時を決めて行うことも、効率化につながります。なくなってから補充するのでは、使いたいタイミングですぐに使えず、まずは補充をしなければなりません。結果として、ご入居者様をお待たせすることになってしまうわけです。補充をスケジューリングすることで、無駄な時間もなくなり、ご入居者様にも迅速に対応できます。
実は私もホームで介護スタッフとして働きはじめた当初は、モノを元に戻さない常習犯でした(笑)。介護リーダーになってからは、これではダメだっ!と意識が変わり、どうすればみんなが元に戻してくれるかを考えるようになりました。自発的に整理整頓を行い、ビフォーアフターを写真に撮って「元に戻しましょう!」と、申し送りなどで呼びかけたこともありました。
一時的には効果があるのですが、みんなに「元に戻す」意識が定着するのは、結構難しいんですよね。定着にはルール化が必要、という考えに至りました。
この問題に当事者意識を持って取り組んでほしい気持ちがあったので、介護スタッフで集まり、動線的にどこに置けば良いか、どうすれば戻せるようになるかを、改めて考える機会を設けました。写真や文字でルールをしっかり共有して、意識改革を行った結果、使いっぱなし置きっぱなしになるケースが減り、生産性向上につながりました。
「モノをあった場所に戻さない問題」を解決するべく、美化1グランプリを首都圏のホームを中心に開催しました。
使ったものを本来の場所に戻さなかったことで、使いたいときに見つからず、探し回って時間をロスしてしまう、といったことは、多くの方が日常生活で一度は経験することではないでしょうか。
同じように老人ホームの現場でも、バイタル測定セットをスタッフステーションに置きっぱなしにしたり、ご入居者様の居室に置き忘れたり、と忙しくて元の場所に戻せない、という事態が起こっていました。次に使う人が探し回り、貴重な時間を使ってしまうのはもったいないですよね。
美化1グランプリは、5S活動(「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5要素からなる職場環境を改善する活動)を推進するものです。使ったら元に戻す、当たり前のことを習慣化して、効率化につなげよう!という狙いがありました。
例えば、物品補充をあらかじめ日時を決めて行うことも、効率化につながります。なくなってから補充するのでは、使いたいタイミングですぐに使えず、まずは補充をしなければなりません。結果として、ご入居者様をお待たせすることになってしまうわけです。補充をスケジューリングすることで、無駄な時間もなくなり、ご入居者様にも迅速に対応できます。
実は私もホームで介護スタッフとして働きはじめた当初は、モノを元に戻さない常習犯でした(笑)。介護リーダーになってからは、これではダメだっ!と意識が変わり、どうすればみんなが元に戻してくれるかを考えるようになりました。自発的に整理整頓を行い、ビフォーアフターを写真に撮って「元に戻しましょう!」と、申し送りなどで呼びかけたこともありました。
一時的には効果があるのですが、みんなに「元に戻す」意識が定着するのは、結構難しいんですよね。定着にはルール化が必要、という考えに至りました。
この問題に当事者意識を持って取り組んでほしい気持ちがあったので、介護スタッフで集まり、動線的にどこに置けば良いか、どうすれば戻せるようになるかを、改めて考える機会を設けました。写真や文字でルールをしっかり共有して、意識改革を行った結果、使いっぱなし置きっぱなしになるケースが減り、生産性向上につながりました。
介助業務に集中できる環境を実現する
――今後の取り組みについて教えてください。
介護職は専門職です。今後、専門性を伴わない、介護職でなくてもできる業務は、外注も検討したいと考えています。実際、一部のホームでは洗濯業務を行っていたのですが、一般的な洗濯物は洗濯業者へお任せすることになりました。
ホームで行うレクリエーションについても、専門の業者やボランティアを積極的に活用したり、清掃スタッフも関連会社に依頼したり、と介護スタッフが介助業務に集中できる環境を整えています。
介護業界においては、介護スタッフもご入居者様もハッピーになることが、生産性の向上につながります。介護スタッフが自分ごととして捉えられるように、改めて業務を洗い出してもらい、課題解決に向けてみんなで意見を共有する場を積極的に設けていく予定です。
効率化が全てではないので、介護機器や外注に頼るところと、人の手で丁寧に対応していくところのメリハリをつけて、より良い介護サービスを提供していければと思います。
「小さなことからコツコツと」生産性と働きやすさの向上を目指していきたいです。
介護職は専門職です。今後、専門性を伴わない、介護職でなくてもできる業務は、外注も検討したいと考えています。実際、一部のホームでは洗濯業務を行っていたのですが、一般的な洗濯物は洗濯業者へお任せすることになりました。
ホームで行うレクリエーションについても、専門の業者やボランティアを積極的に活用したり、清掃スタッフも関連会社に依頼したり、と介護スタッフが介助業務に集中できる環境を整えています。
介護業界においては、介護スタッフもご入居者様もハッピーになることが、生産性の向上につながります。介護スタッフが自分ごととして捉えられるように、改めて業務を洗い出してもらい、課題解決に向けてみんなで意見を共有する場を積極的に設けていく予定です。
効率化が全てではないので、介護機器や外注に頼るところと、人の手で丁寧に対応していくところのメリハリをつけて、より良い介護サービスを提供していければと思います。
「小さなことからコツコツと」生産性と働きやすさの向上を目指していきたいです。
若い世代の新しい気づきから生産性向上へ
――新入社員の方に向けて、メッセージをお願いします。
若い世代の新たな気づきに期待しています。
ベテランの介護スタッフにとっては、いつものルーティンで疑問に思わないようなことも、働き始めたばかりで慣れていない人からすると「なんでこんな作業があるんだろう」「これ、なくてもいいんじゃないかな」と感じる場合もあると思います。この気づきが生産性向上につながる可能性があるので、俯瞰する目線を持って業務にあたってもらいたいですね。
チャームケアは、介護業界でDX推進No.1を目指したい!と公言しています。この考えに賛同し、前向きに積極的に取り組んでいただける方と、一緒に仕事ができることを楽しみにしています。
※チャームケアの介護DXへの積極的な取り組みについて執行役員へインタビューした記事はこちら
若い世代の新たな気づきに期待しています。
ベテランの介護スタッフにとっては、いつものルーティンで疑問に思わないようなことも、働き始めたばかりで慣れていない人からすると「なんでこんな作業があるんだろう」「これ、なくてもいいんじゃないかな」と感じる場合もあると思います。この気づきが生産性向上につながる可能性があるので、俯瞰する目線を持って業務にあたってもらいたいですね。
チャームケアは、介護業界でDX推進No.1を目指したい!と公言しています。この考えに賛同し、前向きに積極的に取り組んでいただける方と、一緒に仕事ができることを楽しみにしています。
※チャームケアの介護DXへの積極的な取り組みについて執行役員へインタビューした記事はこちら
キャリア制度の充実や介護DXに積極的に取り組み、ホーム運営を全力でサポート - チャームPOINT(チャームポイント)|介護で働くリアルを伝える情報メディア

2023年9月から取締役執行役員を務める前田好彦さん。サービス業の経験で培った知見を活かし、管理部門の役員としてチャームケアを支えています。前田さんの経歴に触れながら、管理職の目線でチャームケアの現在と未来についてお話を伺いました。