介護職からガーデニング専任の生活補助スタッフに転身

――林さんのご経歴をお聞かせください。

2017年5月にチャームスイート仁川のオープンに合わせて、介護職として入社しました。
チャームスイート仁川には、ご入居者様の癒しにもなっているとても広く素敵なお庭があります。入社当時、ホーム長から「ホームのお庭をお願いしたい」と、声をかけていただいたことがガーデニング担当になったきっかけです。

プライベートでも友人から畑を借りて、遠路はるばる通うほど土いじりが好きで、ガーデニングにも興味があったため、お引き受けしました。

オープン当初のお庭は、緑が多くお花は少なめ。手入れがあまり必要ないように配慮された仕様でした。
少しでもご入居者様に楽しんでいただくために、お花を増やしていくうちに、介護の仕事と両立するのが難しくなっていきました。規模の大きなお庭のため、満足に手入れができないもどかしさも感じていました。

このままではせっかくのお庭がもったいない!と思い、「お庭の方に専念させてもらえませんか」とお願いし、ガーデニング専任の生活補助スタッフとして仕事をさせてもらえることになりました。

以前は私を含めパート3名でガーデニング作業を行っていましたが、1人はお引越し、もうお1人もご事情で退職され、現在はホームの皆さんの協力をいただきながら私が1人でお庭全体を管理しています。

※林さんと同様に、生活補助スタッフとして働く方へのインタビュー記事はこちら
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土からもらえるパワーと、手をかければ応えてくれるところが魅力

――ガーデニングの魅力を教えてください。

ガーデニングの魅力は、手をかければかけるほど応えてくれるところです。
しっかりと準備をして、お世話を続けることで、時期が来れば芽が出て花が咲くので、その成長を見られることが何よりの楽しみです。

土には本当に大きな力があると日々実感しています。
ご入居者様は室内で過ごされる時間が長いため、土に直接触れられるお庭の存在は貴重です。環境をより良くするためにも、日々の作業に向き合っています。

植えるタイミングでは、まだ球根や苗の状態です。咲いたときを想像しながら、少しずつ植えていきます。
思い描いていたイメージとは違った形になることも多々あります。
育ち過ぎて切らなければいけなくなったり、植え替えが必要になったり…人と同じで、植物も生き物だと感じる瞬間ですね。

土いじりが好きだという一心で、ほとんど独学でガーデニングを学びました。
ガーデンセラピーの講座を受講するなど、さらなる学びを得ています。
好きだからこそ長く続けられていますし、好きなことを思いっきり集中してやらせてもらえる環境がとてもありがたいです!
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お花が咲いた喜びをご入居者様と分かち合える

――お仕事のやりがいをお聞かせください。

ご入居者様から「お花がきれいね」と声をかけていただける瞬間が、何より嬉しく大きなやりがいにつながっています。

認知症で普段の生活に不安があるご入居者様も、お花のことは覚えてくださっている方が多くいらっしゃるんです。
ご自身で植えた花を見に来られ、「こんなに成長してる!」とイキイキとお話しされる姿を見ると、ガーデニングの仕事がご入居者様の心の支えになっているのだと実感し、胸が熱くなります。

特に女性のご入居者様には、お花が好きな方が多いです。
「自宅でも季節の花を植えていたのよ」と、お話を伺うこともよくあります。お花を目にした瞬間に表情がパッと明るくなり、咲いた喜びを一緒に分かち合えることが、とても嬉しいですね。
ご入居者様の元気な姿を見ることで、私自身も元気をもらっています。

イベントの際には、ご入居者様に実際に土を触っていただき、苗を植えていただくこともあります。名札を立てて誰が植えたか分かるようにしますが、名札がなくても皆さんしっかり覚えていらっしゃるんです。

また、お花のお世話をすること自体が、ご入居者様の生きがいになっている場合もあります。 ご自宅ではお子さんやお孫さんのお世話をしていた方が、ホームでは花のお世話をすることで、日々の生活にハリが生まれているのかもしれません。

※お花のスキルを活かして活躍する正社員:泉さんへのインタビュー記事はこちら
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ガーデニングを楽しむご入居者様の姿が印象的

――印象に残っているご入居者様とのエピソードを教えてください。

本当にガーデニングがお好きなご入居者様と、日が暮れるまで一緒に球根を植えたことを、とても鮮明に記憶しています。「土が触れるほど嬉しいことはないから、これからも作業するときは呼んでね!」と仰ってくださったときは嬉しかったです。

ご自宅の庭を思い出す、とお話しされていました。チャームスイート仁川で、少しでもご自宅に近い環境を提供できていると良いなと思いますね。

ご入居者様に参加いただく、寄せ植えのイベントもとても好評です。
毎回10名以上の方がご参加くださり、春先や秋口の気候の良い時期に、年2回開催しています。

イベントではテーブルを囲み、1人につき1鉢、好きな鉢とお花を選んで、自由に思いのまま寄せ植えをしてもらいます。
「こんな色合いでも大丈夫かしら?」「こんなにぎゅうぎゅうに詰めて植えてもいいのかな?」といろんな質問が飛び交っていましたが、その度「いいんじゃない」「こっちのお花を入れても良いかも」と、お互いにアドバイスしながら楽しんでいらっしゃる姿が印象的でした。

10月のイベントでは、冬まで楽しめるお花をご用意して寄せ植えを行いました。仕上がった鉢は、私が植えるよりもずっと素敵で、皆さんのセンスに驚かされました。
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ご入居者様の目が輝くようなお庭づくり

――林さんの今後の目標と、これから入社する後輩へのメッセージをお願いします。

土いじりが好きで「土からもらえる元気をご入居者様にも届けたい」という思いでガーデニングの仕事に取り組んでいます。
今は春に向けて、チューリップを中心に、さまざまなお花を準備しているところです。お庭を見て「わぁ〜」とご入居者様の目が輝くような環境が作れるように、これからも尽力していきます。

これから入社される方には、終の住処としてチャームケアのホームを選んでくださったご入居者様に「どうすれば喜んでいただけるか」を一番に考えられる人になってもらえたらと思います。

チャームケアは単なる介護施設ではありません。だからこそ、「施設」ではなく「ホーム」と呼んでいます。
ホームに対する情熱や理念をしっかりと理解したうえで、ご入居者様に寄り添いながら、笑顔があふれるホームを作っていただきたいですね。
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