スマート介護士とは

「スマート介護士」は、サンタフェ総合研究所(社会福祉法人善光会)が、最先端技術を活用して介護の質と生産性を向上できる人材の育成を目的に、2019年に創設した民間資格です。

人手不足が深刻化する介護業界では、介護ロボットや介護DXの導入が、事業所や老人ホームなどで積極的に進められています。スマート介護士は、こうしたテクノロジーを正しく理解し、現場で適切に活用できるスキルを備えていることを証明する資格として、今まさに注目を集めています。

この資格は、介護テクノロジーに詳しいだけでなく、介護サービスの質と生産性の両方を高められる人材であることを示すものでもあります。

※スマート介護士資格のホームページはこちら

スマート介護士資格の種類

スマート介護士資格はStarter・Basic・Expert・Professionalの4種類があります。それぞれの特徴は下記の通りです。
種類 レベル 特徴
Starter 基礎 受験費用:無料(24時間・365日オンライン受験が可能)
試験内容:介護テクノロジーに関する基礎知識
Basic 初級 受験費用:税込6,800円(オンライン受験)
試験内容:介護ロボットの基礎知識、ICT機器の概要、
介護現場における活用の基礎、介護業務の基本など
Expert 中級 受験費用:税込8,800円(オンライン受験)
試験内容:介護ロボットやICT機器の導入計画、実践的な運用、
オペレーション設計、運用時の安全管理など
Professional 上級 受講費用:75,000円
(オンライン2日・現場体験1日、計3日間の講座受講費用)
講座内容:スマート介護士Expert合格者を対象とした3日間の講座。
施設において介護ロボットやICTを導入する技術がある、介護DXを実現できる人材を目指す。
2025年度5月より、暗記した知識の量を問う形式から、実際の業務で役立つ知識を活用できるかどうかを問う形式へと試験ルールが変更になりました。それに伴い、テキストや参考資料を見ながらの受験が可能となり、PC・スマホ・電卓等の試験中の使用も可能となりました。
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スマート介護士資格の取得方法

スマート介護士資格の取得にあたって、具体的な方法を確認しておきましょう。

試験日程

スマート介護士BasicおよびExpertについては、年4回(2月・5月・8月・11月)実施されており、いずれもオンライン受験で試験時間は60分です。また、BasicとExpertは併願することもできます。
なお、Starterは24時間365日オンラインで無料受験が可能で、試験時間は20分です。

受験資格

スマート介護士は、資格の取得にあたって年齢制限や受験に必要な資格はありません。StarterやBasicに合格していなくても、Expertから受験することも可能です。
ただし、Professionalは、Expertの合格者のみ受講が可能となっていますので、注意してください。

勉強方法

試験は「スマート介護士資格 公式テキスト」から出題されます。
テキストは、介護ロボット概論、介護基礎論、介護オペレーション基礎論、介護ロボット評価論、介護ロボットの導入と運用の実践、介護業務支援システムの導入・模擬問題で構成されています。

正答率70%で合格とされるため、テキストに沿って学びを深めることをおすすめします。無料で開講されている受験対策講座も効果的です。

※介護福祉士の資格取得について、詳しく解説した記事はこちら
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スマート介護士資格取得のメリット

スマート介護士の資格を取得することで得られるメリットを確認しましょう。介護ロボットやテクノロジーを活用した介護サービスの提供に興味がある、介護のスペシャリストを目指したい方は前向きに検討することをおすすめします。

介護サービスの質の向上が期待できる

スマート介護士の資格は、「介護サービスの質と生産性を高められる人材」を育成することを目的としています。介護ロボットなどのテクノロジーを正しく理解し活用できることで、そのメリットを最大限に引き出し、介助業務の効率化が期待できます。

これにより、職場の人手不足解消に寄与するだけでなく、きめ細かな介護サービスの提供にもつながります。スタッフのルーティン業務に余裕が生まれることで、ご入居者様とゆっくりコミュニケーションを取る時間が増え、結果としてご入居者様の満足度向上にも貢献します。

他の介護スタッフとの差別化が図れキャリアアップにつながる

スマート介護士の資格は、介護DX等の知識が豊富であることをアピールできるため、一般の介護スタッフと差別化が図れます。積極的に介護テクノロジーを採用していきたい事業所や介護施設では、貴重な人材と言えるでしょう。
職場内でのキャリアアップが目指せるうえ、転職の際にも有利にはたらく可能性が高まります。
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スマート介護士の今後の展望

高齢者人口は今後も増加が続くと予想されており、厚生労働省の推計では、2040年には65歳以上の人口が全体の約35%に達するとされています。
こうした状況から介護サービスの需要は引き続き高い水準で推移し、介護テクノロジーを導入したサービス提供は、ますます重要な課題となっていくでしょう。

株式会社チャーム・ケア・コーポレーションでは、DX化の一環で、ホーム長全員が「スマート介護士」の資格を取得する予定です。
管理職が率先して新しい介護技術を学ぶことで、さらに先進的な取り組みを実践してまいります。

スマート介護士は今後さらに活躍が期待される資格のひとつです。
介護職として専門性を磨きたい方、キャリアアップを目指したい方にとって、受験を検討する価値のある資格と言えるでしょう。

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