入所型介護施設の場合、24時間体制での運営が必要となるため、多くの介護スタッフは日勤・夜勤の交代制で勤務をしています。
「拘束時間が長い」「睡眠時間が取れない」「疲れがたまる」など、大変そうというイメージを持たれることの多い夜勤ですが、実は収入面やスキルアップ等、夜勤ならではのメリットもあります。
また、夜勤明けの翌日のシフトによってはお休み以上に時間に余裕が生まれることも。
夜勤明けの時間を上手に活用することで、ライフスタイルの充実につながります。

本記事では、介護職で長くいきいきと活躍し続けるために、夜勤で働くメリット・デメリットや、夜勤明けの有意義な過ごし方についてご紹介します。

夜勤のメリット・デメリット

24時間運営の多くの介護施設では、【早番・日勤・遅番・夜勤】といった4パターンでの勤務スタイルが採用されています。

夜勤の勤務時間は施設によってさまざまですが、最も多いとされているのが、16~17時に出勤し翌朝9~10時に退勤する16時間勤務のケース。

16時間勤務というと長く感じられるかもしれませんが、​夜勤の時間帯は比較的静かに仕事に取り組めることや夜勤手当で高収入が得られるなどのメリットも多いのです。
また、翌日はほぼ必ずお休みとなるので、自分の時間を有効に使うこともできます。

ここでは、夜勤で働くメリット・デメリットについて解説します。

夜勤のメリット

▼夜勤のメリット

  • フロア清掃や見回りがメインで、マイペースに仕事に取り組める
  • 夜勤手当が支給され、日勤よりも高収入が得られる
  • 日中の時間を有効活用できる
  • 夜勤明けはお休みとなるケースが多く、月の出勤日数を少なくできる
  • 資格が必要なケースが多く、ステップアップになる


日勤の場合、ご入居者様の食事補助や排泄・入浴補助など、お一人おひとりのペースに合わせた業務がメインとなります。
また、チームワークが必要な業務が多く、常に周りのスタッフと協力し合いながら勤務をしています。

一方の夜勤は、清掃や定期的な訪室(お部屋にご様子を伺いに行くこと)がメイン業務。
緊急時以外は比較的静かにマイペースに働けるため、「落ち着いて仕事がしたい」という方にとっては最適な働き方なのです。

また、夜勤手当が支給されたり、資格を要する場合もあり、「効率よく収入アップしたい」「スキルアップ、ステップアップを目指したい」という理由から、あえて夜勤を選ぶ方も少なくありません。

さらに、夜勤明けの翌日は休日となるため、「平日に用事を済ませられる」「連休を取りやすい」というメリットもあるのです。

夜勤のデメリット

▼夜勤のデメリット

  • 一日の勤務時間が長い
  • ライフスタイルに合わせづらい場合がある
  • 日勤に比べて人手が少なく気配りが必要
  • 睡眠時間が取れず身体への負担を感じる場合がある


夜勤で働くメリットもある一方で、デメリットもあります。
介護スタッフとして長年働く中で歳を重ね、「若い頃は辛くなかったけれど、最近は疲れが取れない」と感じる方もいらっしゃいます。
また、結婚や出産などのライフスタイルの変化に伴って「続けていけるか不安」という方がいるのも事実です。
特に、家事と育児、仕事を両立するママさん介護士にとっては、子どもの生活リズムもあるので難しいケースが多いようです。

また、日勤に比べてシフトの人数が少ない場合が多く、「チームで仕事をするのが好き」という方にとっては少々心細く感じることもあるでしょう。

介護職の夜勤明けの過ごし方

夜勤のデメリットとして多く挙げられたのが、「疲労が溜まりやすい」「なかなか疲れが取れない」といった身体への負担。
しかし、夜勤明けの日を有意義に過ごすことで、そうした負担を軽減することができます。

実際に介護職で活躍されている方たちに「夜勤明けの過ごし方」を伺ったところ、「とにかく家でゆっくり休む」「自分のメンテナンスをする」「家族や子どもの用事を済ませる」など、さまざまな過ごし方が挙げられました。

ここでは、介護職で働く方たちの声をもとに、「夜勤明けの過ごし方」を3つのタイプに分けてご紹介します。

夜勤明けの過ごし方1|家でゆっくりする

夜勤を終えて帰ってきたら、とにかく一日ゆっくり休みたい!という方も多いですよね。
ただ休むだけでなく、「休み方」「睡眠の質」を意識しながら過ごすと、スムーズな疲労回復につながります。

軽めの入浴で汗を流す

疲れて帰ってきたらまずはお風呂で汗を流したいという方も多いと思います。
入浴は、血行を促進し凝り固まった腰や肩の筋肉を柔らかくするなど、疲労回復に効果的です。

入浴する際はシャワーで済ませず、湯船に浸かりましょう。
ぬるま湯を浅めに張り20分程度浸かるのがおすすめ。

熱いお湯に長く浸かると、交感神経を刺激してスムーズに眠れなくなってしまうこともあるので注意が必要です。
また、湯舟で手足を軽くマッサージしたり、入浴しながら濡れたタオルを目元に置くなどすると、よりリフレッシュできますよ。

食事をとるなら消化の良いものを少量

長時間働いたあとには、甘いものやカロリーの高いものを食べたくなるという経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
睡眠不足や疲労が溜まると、食欲を促進するホルモンが分泌されるため、ついつい食べ過ぎてしまいます。

しかし、帰宅後に食事をしてからすぐに眠ると、消化されずに胃もたれを起こすなど体調を崩す原因にもなってしまいます。
帰宅後に食事をする場合は、消化の良いお粥やフルーツなどを軽めにとってから休むと良いでしょう。

好きな場所で好きなことを

家でゆっくり休みたい派の方の中には、睡眠をとるだけでなく、好きなことをして楽しみたいという方も多いのではないでしょうか。
例えば、映画や撮りためたテレビ番組を観たり、読書やゲームをするなど。
くつろげるソファなどお気に入りの場所で、ゆっくり過ごすだけでもリフレッシュになりますよね。

ただし、テレビやスマホの画面を見すぎると脳が興奮状態になり、うまく寝つけなくなることも。
長時間同じ姿勢でいるとかえって疲れの原因にもなるため、時間を区切るなどの対策も必要です。

夜勤明けの過ごし方2|自分自身のメンテナンス

夜勤明けの過ごし方のひとつとして、「家で過ごすよりも、外に出て遊びたい」「心と身体のメンテナンスに費やしたい」と考える方もいらっしゃいます。
そんな方におすすめの過ごし方をご紹介します。

お休みを利用して旅行やレジャーに

夜勤明けの翌日はほぼ確実にお休みになりますし、場合によっては翌々日が連休になっていることもあります。
夜勤の日は0時~朝まで勤務しているものの、その後はフリーな時間が過ごせるため、夜勤明け+連休で3連休のような感覚になります。

そのため、夜勤明けはレジャーを楽しむのにぴったり。旅行に出かける介護スタッフも多数いらっしゃいます。

同期や同僚のスタッフ同士で夜勤を合わせ、夜勤明けにそれぞれ現地集合するケースもあります。

「大変じゃない?」と思われるかもしれませんが、若いうちは夜勤に体が慣れれば意外と大丈夫なものです。
楽しいことが待っていると思うと、夜勤も頑張れますね。

エステやマッサージで身体を整える

夜勤に限らず、立ち仕事が多い介護職の方には、マッサージやエステ、岩盤浴がおすすめです。

特に夜勤は睡眠時間が限られるため疲労が溜まりがちです。こうした施術を受けてしっかりと疲れを取ることで次の仕事への活力にもなりますね。

エステや岩盤浴はリラックス効果もあり、疲労回復だけでなく心を整えるのにも効果的ですよ。

ウォーキングやストレッチで軽めの運動を

帰ったらすぐに休みたいという気持ちとは裏腹に、「ご入居者様や仕事のことが気になってなかなか気持ちが休まらない」という方もいらっしゃいます。
そういった場合は、身体を動かすことで気持ちをリセットすることをおすすめします。

激しい運動・長時間の運動は、怪我や事故の危険性もあるため、細心の注意を払ってくださいね。

ゆっくりストレッチをしたり、近所を軽くウォーキングするなど、心地よいと感じられる程度の運動に留めておきましょう。

病院や検診を受けに行く

日々忙しくしていると、予防接種や定期検診などがついつい後回しになってしまうこともあると思います。
土日などの休日診療は混み合うため、夜勤明けの平日の時間を利用して受診するのは賢い過ごし方のひとつです。

子育て中のママさんの中には、「子どもの定期健診の日に合わせてシフト希望を出す」という方も。
また、夜勤明けの「明け休み」を利用することで、土日休みの仕事よりも予定が立てやすいという方もいらっしゃいますよ。

夜勤明けの過ごし方3|家族や子どもの用事を済ませる

家庭や子育てと両立しながら働いている方は、夜勤明けを「家事や育児の時間」に活用しています。
溜まった家事や子どもの用事を済まられることで、メリハリがつき、仕事にもしっかりと集中できますね。

役所や銀行の手続きに行く

役所や銀行へ出向かなければいけない用事は、平日でないと窓口が開いていないため夜勤明けにぴったりです。
仕事のお昼休憩の時間を活用したり、有給を使う方もいらっしゃいますが、夜勤明けの1日を有効に使うことで、そうした用事を一気に済ませてしまうことができます。

役所や銀行の手続きは時間がかかるからこそ、たっぷりと時間を使える夜勤明けの日にまとめて用事を済ませているという方も多いようです。

掃除や家事をこなす

仕事と家事の両立がなかなかうまくいかずに悩まれる方も多いと思います。
中でも、布団干しや衣替え、窓ふきや風呂場のカビ取りなど、後回しになりがちな家事もありますよね。

夜勤明けは、そうした普段はできないような掃除や家事をするには最適です。
中には、夜勤明けの日は食材をまとめ買いして、おかずの作り置きに時間を費やしているという方も。

普段できない家事に没頭することで、ストレスを溜めずにスッキリと気持ちよく過ごせますよ。

子どもとおもいっきり遊ぶ

夜勤明けこそ、子どもたちと遊んでリフレッシュするというのも有意義な過ごし方のひとつ。
家族の予定が入りがちな休日と違い、夜勤明けはじっくりと子どもと向き合って過ごすのに向いています。

どこかに出かけるのはもちろん、家で子どもと料理をしたり絵本を読んだり、近くの公園で遊ぶのもおすすめ。
遊ぶだけでなく、一緒にお昼寝をするなどゆっくり過ごすのも、時間に余裕のある夜勤明けならではの過ごし方ですよ。

まとめ|ライフスタイルや目的に合わせた有意義な過ごし方を

夜勤は、勤務時間の長さや身体への負担など、デメリットに感じられることもある一方で、高収入を得られたりステップアップにつながるなどメリットも多い働き方です。

また、夜勤明けは「子どもの行事に参加しやすい」「休日にはできない用事を済ませられる」という理由から、日勤よりも夜勤の方がライフスタイルに合っていると感じている方もいらっしゃいます。

今回ご紹介させていただいた「夜勤明けの過ごし方」はほんの一例にすぎませんが、ぜひ参考にしていただきながら、あなたなりの有意義な夜勤明けの過ごし方を見つけてみてください。

皆さんが介護の現場で長くいきいきとご活躍されることを陰ながら応援しています。

この記事の監修・アドバイザー

大野世光(おおのひろみつ)

介護支援専門員資格、社会福祉主事任用資格。
2017年10月1日、株式会社チャーム・ケア・コーポレーションに入社。
介護系大手企業でスーパーバイザーなどを歴任し、
チャーム・ケア・コーポレーションのホーム長を経て、現在は教育研修課にてスタッフの教育を実施。

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