介護職の将来性について

少子化が進み、医療技術の進歩により平均寿命が伸びたことで、日本は高齢社会時代に突入しています。

高齢者人口の増加に比例する形で介護サービスを提供する施設や介護保険施設に勤める介護職員の数も増えており、2023年度(令和5年)10月時点で介護職員数は212.6万人であることを、厚生労働省が発表しました。
2019年(令和元年)より210万人を超える就業人口を続けており、介護職には引き続き高い需要が見込まれます。

資格がない場合でも、介護職員として働くことは可能です。(認知症介護基礎研修の受講が必要:eラーニングで約150分)
介護福祉士実務者研修を修了し、実務経験を3年以上積むことで、国家資格である介護福祉士にも挑戦できます。
介護福祉士の国家資格を取得後、さらに5年以上実務経験を重ねるとケアマネージャーへのチャレンジも可能となるため、さらに専門性の高い職種への道も開けます。

働いて得た知識やスキルを活用し、キャリアアップが目指せるところも介護職の魅力の一つです。

※出典:厚生労働省 「介護職員数の推移」
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高齢者の現状に関する3つの「増加」

現在の日本の高齢者を取り巻く現状を語るうえで、欠かせない3つの「増加」に焦点を充てて、確認していきましょう。介護職の将来性の高さが見えてきます。

1.高齢者人口の増加

内閣府が発表した「令和6年版高齢社会白書」によると、2023年(令和5年)10月現在、日本の総人口は1億2435万人となっています。
高齢者である65歳以上の人口は3623万人で、総人口に占める高齢者人口の割合(高齢化率)は29.1%となりました。

さらに推計によると、2037年(令和19年)には高齢化率が33.3%となり国民の3人に1人が、2070年(令和52年)には高齢化率が38.7%にまで上昇し国民の2.6人に1人が、65歳以上を占めると発表されています。
今後長期にわたって高齢化率が徐々に高まることで、介護を必要とする人口も増えていくことが予想されます。

※出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」

2.「要介護」認定者の増加

厚生労働省の「介護保険事業状況報告」によると、2022年(令和4年)5月末現在、要介護(要支援)認定者数は691.4万人で、こちらも年々増加傾向にあります。

要介護認定者数が218万人だった2000年(平成12年)と比較すると、およそ3.2倍に増えています。要介護認定者の増加に伴い、介護サービスを利用する人口も増えています。介護保険制度がスタートした2000年(平成12年)では149万人だった介護サービスの利用者数は、2022年(令和4年)には592万人まで増加しています。

利用者のニーズに合わせる形で介護福祉サービスの業態も増え、介護職として働く場合の選択肢も増えています。

※出典:厚生労働省「介護保険事業状況報告」
※出典:厚生労働省「介護分野の最近の動向について」
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3.一人暮らし高齢者の増加

一人暮らし世帯における高齢者(65歳以上)の割合が増えていることも見逃せません。
2020年(令和2年)の国勢調査では、全一人暮らし世帯において男性の15%、女性の22%が高齢者となっています。2050年(令和32年)には、それぞれ26%、29%と増える見込みであり、高齢者の人口増加に伴い、一人暮らしの高齢者人口も増えることが予想されています。

一人暮らしの高齢者が利用しやすい介護サービスの需要が、ますます高まる可能性があります。

※出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」

介護業界の現状を知るための3つのキーワード

介護職の将来性を見極めるためには、介護業界の現状についても、深く理解しておく必要があります。現在の介護業界を解説するうえで欠かせない3つのキーワード「介護保険料の増加」「人手不足」「労働条件の改善」に着目して、確認していきましょう。

1.介護保険料の増加

厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会の資料「給付と負担について」によると、介護保険料は段階的に上昇を続けています。2021年度〜2023年度は全国平均で6,014円となり、2018年度〜2020年度の5,869円よりも高くなっています。

また、介護保険制度が創設された2000年度〜2002年度の介護保険料が2,911円だったことと比較すると、増加が著しいことが確認できます。
介護保険料は、事業計画に定めるサービス費用見込額等に基づいて、3年ごとに改定が行われています。高齢者人口が増加している状況においては、今後も上昇していく可能性が高いと言われています。

※出典:社会保険審議会介護保険部会「給付と負担について」

2.人手不足の問題

厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会の資料「介護保険制度の見直しに関する参考資料」によると、2025年(令和7年)では243万人、2040年(令和22年)では280万人の介護職員が必要になると推計されています。

冒頭の「介護職の将来性について」で確認した介護職員数212.6万人(2023年/令和5年10月時点)と比較すると、介護職員が不足していることは明確です。

また公益財団法人介護労働安定センターが行った2023年度(令和5年度)「介護労働実態調査」によると、従業員が不足していると回答した割合は事業所全体の64.7%という調査結果もあり、現場の実態とも一致していることがわかります。

以上のことからも、介護職員の需要がこれからも見込まれることが推察できます。

※出典:社会福祉審議会介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する参考資料」
※出典:公益財団法人介護労働安定センター 令和5年度「介護労働実態調査」

3.労働条件の改善

前述の「介護労働実態調査」では、介護職の離職率(1年間の離職者数÷在籍者数×100)が下落傾向にあることも発表されました。2012年(平成24年)は17%だった離職率が、2023年(令和5年)では13.1%まで下落しています。
これについては各事業所が離職を防ぐために、さまざまな取り組みを行っている、という背景も見て取れます。具体的な対策としては「労働時間や労働日の柔軟な対応」や「残業削減」、「有給休暇の取得推進」や「賃金水準の向上」などが挙げられます。

介護職員の定着につながる取り組みが功を奏し、近年では有給休暇の取得率も上昇しており、2023年(令和5年)には53.7%となりました。離職率が問題視されていた介護職ですが、職場環境や労働条件の改善が進んでいることがわかります。
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介護職の今後の展望

介護職の処遇については、国が改善に乗り出すなど目覚ましい変化が見られます。気になる今後の動向も合わせて、確認していきましょう。

1.給与上昇が期待できる

介護職員処遇改善支援補助金はその名前のとおり、介護職員の処遇改善を支援するための補助金であり、介護職員(常勤勤務)1人あたり、月額平均6,000円の賃金引き上げに相当する額が、各事業者に交付されるものです。こちらは、2024年(令和6年)の2月〜5月に実施されました。

また、介護職員の安定的な処遇改善を図るための環境整備とともに、介護職員の賃金改善に充てることを目的に創設された対策が「介護職員処遇改善加算」です。
3種類の「キャリアパス要件」と「職場環境要件」をどの程度満たしているかで、申請できる加算の区分が異なります。

【キャリアパス要件】
・Ⅰー職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
・Ⅱー資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
・Ⅲー経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること

【職場環境要件】
賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施すること

加算区分は全5区分で構成されています。
例えば、キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲの全てに加えて、職場環境要件もクリアしている場合、加算区分は「加算Ⅰ」となり、介護職員1人当たり月額37,000円相当の加算が受け取れます。

※出典:厚生労働省 「介護職員処遇改善加算」のご案内

2.労働環境の改善が見込める

政府が進める働き方改革は、介護業界でも積極的に取り組みが行われています。
人手不足を補う外国人スタッフの採用や、人材育成につながる研修制度の充実、業務平準化による残業の削減など、介護職員の労働環境改善を目的とした対策が、それぞれの事業者で次々と実施されています。

ロボットやDXの導入で、介護職員の物理的な負担を軽減する取り組みを行っている事業者もあります。介護職の労働環境は今後もさまざまな改善が期待できると言えるでしょう。
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チャームケアが取り組む環境改善3選

チャームケアは、働きやすい職場環境の実現と働くスタッフが幸せになる仕組みづくりに注力しています。

1.介護DXやロボットの活用

チャームケアでは、介護現場でのDX化を推進しています。人感センサーや、ご入居者様の眠りを検知する機器の導入、介護記録の電子化を全てのホームで実施しています。また、一部のホームでは配膳ロボットを導入し、介護スタッフの配膳に要する時間の削減に成功しました。

こういった取り組みは、単に業務時間を削減するためだけではなく、効率化で生まれた時間をご入居者様との交流に充て、人と人とのつながりをより一層大切にする狙いもあります。

※チャームケアの介護DXへの取り組みを紹介した記事はこちら

2.正当に評価する体制

チャームケアは年に一度、昇給および昇格の機会を設けています。
国からの補助による給与アップだけでなく、チャームケアが独自に年次や役職に関係なく一律ベースアップを図るケースもあります。

このベースアップには、ご入居者様に寄り添い、丁寧な介護サービスを提供するスタッフに、会社として誠意ある対応を見せたい、という思いが背景にありました。

※ベースアップに関する人事部部長へのインタビュー記事はこちら

3.外国人介護スタッフの受け入れ

チャームケアでは外部企業との協業により、ミャンマー出身の外国人介護スタッフが働いています。また、インドネシア・日本間で結ばれている経済連携協定に関連して、介護施設で研修を行いながら介護福祉士資格の取得を目指すプログラムを活用して働く、インドネシア出身の介護スタッフも複数名在籍しています。

チャームケアは社会貢献にも積極的に取り組みながら、会社と働くスタッフが一丸となって、ご入居者様により良い生活環境を提供しています。

※外国人採用についてインタビューした記事はこちら
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介護職は将来性が期待できる職業

高齢者人口の増加を背景として、「要介護」認定者数の増加や一人暮らし高齢者の増加など、介護職の需要はこれからも続くと予想されます。
近年は、介護保険料の増加や介護職員への給与アップにつながる国策など、介護職を取り巻く環境も大きく変化しています。

チャームケアは「私が「幸せ」であるからこそ、みんなを「幸せ」にできる」を理念に掲げ、働くスタッフの労働環境の改善に、介護業界でもいち早く取り組んできました。
DXを取り入れ業務効率化を進めながら、ご入居者様に寄り添った温かい介護サービスを提供するチャームケアに興味をお持ちの方は、ぜひ一度ホーム見学にいらしてください!

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