生活相談員の仕事内容とは?

生活相談員は、介護施設への入居や介護サービスを受ける際の契約の手続き時に、ご利用者様・ご家族様の相談相手となり、行政機関やケアマネージャー、介護施設との連携や調整を行っています。

主な仕事内容は、介護サービスのご利用者様やご家族様からのお声を聞き、必要な改善を行うため、各種機関やケアマネージャー等に相談・対応します。
また、籍を置く介護施設の形態にもよりますが、ケアプランの作成サポートや介護スタッフのヘルプ、医療機関との連携など、生活相談員の業務は多岐に渡る場合も多く、縁の下の力持ち的な存在です。
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生活相談員の資格要件

生活相談員として働く場合は、「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のいずれかひとつの資格が必要です。順番に確認していきましょう。
なお、それぞれの資格の取得方法については、厚生労働省のWebサイトでも確認が可能です。

社会福祉士

社会福祉士は国家資格であり、「社会福祉士及び介護福祉法」において、以下のように定められています。
「社会福祉士は、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行なうこと(以下「相談援助」といいます。)を業とする者で〜(以下、略)」
社会福祉士の資格取得には、福祉系の大学・短大で指定科目(基礎科目)を履修し、実務経験を積む(指定科目の履修だけのケースもあり)または、実務経験にプラスして、社会福祉士一般養成施設での1年以上の経験など、受験資格を得るために必要な課程がある点に注意が必要です。

資格試験は年1回で、毎年2月上旬に試験日が設けられています。後述する精神保健福祉士との同時受験が可能です。
厚生労働省のサイトで、社会福祉士の資格取得方法が紹介されています。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は社会福祉士同様、国家資格であり、「精神保健福祉法」において、以下のように定められています。
「精神保健福祉士は、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行なうこと(以下「相談援助」といいます)を業とする者で〜(以下、略)」
精神保健福祉士の資格取得には、社会福祉士と同じように、保健福祉系または福祉系の大学・短大にて指定科目(基礎科目)の履修と、実務経験を積むなど受験にあたり、必要な要件があるため、受験を検討している方は、事前に確認しておきましょう。

資格試験は年1回で、毎年2月上旬に試験日が設けられています。前述の社会福祉士との同時受験が可能です。
厚生労働省のサイトで、精神保健福祉士の資格取得方法が紹介されています。

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事は、社会福祉法に定められている任用資格(公務員が特定の業務に任用されるときに必要となる資格)です。

社会福祉主事任用資格の取得には、大学等で社会福祉に関する指定科目を3科目以上履修し卒業するか、厚生労働省の指定する養成機関を修了する、または都道府県等の講習会に参加する等、いずれかの要件を満たす必要があります。
厚生労働省のサイトで、社会福祉主事任用資格の資格取得方法が紹介されています。
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無資格でも生活相談員になれる?

先ほど、生活相談員になるためには資格が必要と確認しましたが、自治体によっては特定の実務経験があれば、生活相談員になれるケースがあります。

なぜなら、多くの自治体では生活相談員の資格要件を、「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者」または「これと同等以上の能力を有すると認められる者」と定めており、後者に該当する場合、前述した資格は必要としないため(もしくは別の資格でも、生活相談員になれるため)です。

なお、「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者」は、前述の社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事の資格を有する者を指します。
代表的な自治体を例に、確認していきます。

東京都の場合

東京都では生活相談員の資格要件について、以下のような規定を設けています。

東京都の生活相談員の資格要件

  • 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者
  • 介護支援専門員(ケアマネージャー)
  • 特別養護老人ホームにおいて、介護の提供に係る計画の作成に関し、1年以上の実務経験を有する者
  • 老人福祉施設の施設長経験者
  • 通所介護事業所、通所リハビリテーション事業所等において、実務経験が通算で1年以上あり、介護福祉士の資格を有する者


大阪府の場合

大阪府の生活相談員の資格要件については、以下の通りです。

大阪市の生活相談員の資格要件

  • 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネージャー)


京都市の場合

京都市の生活相談員の資格要件について、前述の3つの資格を保有しない場合、以下の通りです。

京都市の生活相談員の資格要件

  • 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネージャー)

上記に該当する、かつ介護サービス等を提供する事業所において、概ね2年(非常勤の場合は勤務日数が概ね400日)以上の実務経験を有する者。


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生活相談員の仕事の魅力

具体的な仕事内容は、施設や事業所により異なります。

ケアマネージャーや介護スタッフなどホーム内の連携はもちろん、ご家族様との面談やかかりつけのお医者さんの予約まで幅広くカバーすることもあるため、生活相談員には臨機応変な対応や、調整力が必要とされます。パズルのピースがピタッとはまるように、調整が上手くいった時の達成感はやりがいにつながるでしょう。

また、1人でコツコツ仕事を進めるというよりは、周りのスタッフと連携を取り合って協力し合いながら仕事を進めることが好きな人も、生活相談員の仕事に魅力を感じるでしょう。

生活相談員は、ご入居者様の生活すべてに関わります。広い視野で、お困りごとに丁寧に対応していくため、ご入居者様と深い関係性が生まれることも魅力のひとつです。

生活相談員に必要なスキル

ご入居者様のお困りごとを解決したい、ホームで快適な生活が送れるようにサポートしたいと、ご入居者様に寄り添える人が向いているでしょう。

また、ご入居者様だけでなくご家族様や、介護スタッフ、ケアマネージャーなど各方面と密に連携を取る必要があるため、コミュニケーション力が重要になります。

ご入居者様の中にはスタッフに遠慮してしまう方もいらっしゃいます。そういったご入居者様からも自然な会話の中でご要望を聞き出すヒアリング力や、ご入居者様の小さな変化を見逃さない広い視野を持つ力も養っておくと役立ちます。
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生活相談員が活躍できる施設形態

生活相談員は、下記のような介護施設やサービスで活躍が可能です。

デイサービス(通所介護)

利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、施設にて食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。
デイサービスにおける生活相談員の配置基準は、サービス提供時間に1人以上です。

介護付き有料老人ホームやケアハウスなど(特定施設入居者生活介護施設)

特定施設入居者生活介護は、利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなどが、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供します。
チャームケアが運営しているチャーム・チャームスイート・チャームプレミア・チャームプレミアグランは、特定施設入居型生活介護施設にあたります。有料老人ホームは、民間施設が主でレクリエーションやイベントも充実している点が特徴です。

介護付き有料老人ホームにおける生活相談員の配置基準は、100人以上につき1人以上です。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、入所者が可能な限り在宅復帰できることを念頭に、常に介護が必要な方の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供します。
特別養護老人ホームは、地方自治体や社会福祉法人が運営する公的機関が運営しており、生活支援や介護サービスの提供を主としています。

特別養護老人ホームにおける生活相談員の配置基準は、100人以上につき1人以上です。
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チャームケアで働く生活相談員

チャームケアでは、各ホームで生活相談員が活躍しています。
気持ちよく働ける職場を目指しているため、残業はほとんどありません。やむを得ず残業となった場合も、1分単位で手当がつきます。

また、ご入居者様に寄り添ったサービスが提供できることにやりがいを感じるスタッフが多いことも、チャームケアで働く生活相談員の特徴です。

※チャーム鶴見緑地で生活相談員として勤務されている本房さんへのインタビュー記事はこちら
※チャームスイート京都桂坂で生活相談員リーダーとして活躍中の野﨑さんへのインタビュー記事はこちら
※チャームスイート京都紫野で、生活相談員として勤務されている野原さんへのインタビュー記事はこちら

チャームケアでは一緒に働く仲間を募集中

生活相談員は、介護サービスのご利用者様の相談役としてなくてはならない仕事です。

生活相談員として活躍するためには、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかが必要とされていますが、自治体によっては実務経験でカバーできるケースもあります。就職を希望する自治体の募集要項を確認しておきましょう。

チャームケアでは、多くの生活相談員が活躍しています。各ホームはバックアップ体制も整っていますので、介護の経験を積みながら、生活相談員に必要な資格試験の合格を目指すことも可能です。

随時、ホーム見学も受け付けています。生活相談員を含め、介護の仕事に興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修・アドバイザー

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大野世光(おおのひろみつ)

2017年10月1日、株式会社チャーム・ケア・コーポレーションに入社。
介護系大手企業でスーパーバイザーなどを歴任し、
チャーム・ケア・コーポレーションのホーム長を経て、
教育研修室にてスタッフの教育を実施。
2022年7月から、教育研修部副部長 兼 介護DX推進課長に就任。
介護支援専門員資格、社会福祉主事任用資格を所持。

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