介護職の面接で採用担当者からよくある質問一覧

転職する時に避けては通れないのが面接です。

面接は、自分をアピールするための大きな機会であると同時に、将来のキャリアについて再認識するきっかけにもなります。

また入社後のミスマッチを防ぐためにも、採用担当者からの質問に対して的確に回答することが大切です。

介護業界においても、履歴書や職務経歴書に書かれていること以上に、面接の内容を重視して、採用の合否を決めている企業が増えています。

具体的に、介護職への転職では面接で主に次の質問をされることが多くなっています。
介護職の面接でよくある質問一覧
1.これまでの経歴を教えてください
2.前職の退職理由を教えてください
3.当社に応募した志望動機を教えてください
4.入社後どんな仕事をしたいか教えてください
5.入社が決まればいつから勤務できるか教えてください
6.残業や夜勤も対応できるか教えてください
7.最後に何か質問はありますか
各質問に対して的確な回答をするためには、事前に質問の意図を把握し、回答を準備しておくことが大切です。

次の章から、質問の意図と具体的な回答例をお伝えしていくので、自信を持って面接に臨むために参考にしてくださいね。
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【質問1】これまでの経歴を教えてください

これまでの経歴に関する質問は、仕事の経験と持っているスキルを確認するという意図があります。

企業側は、入社後に担当してもらう役職やポジションを想定した上で面接を行っているので、求める役割に適しているかをこの質問で判断しています。

良い回答例

私はこれまで5年間介護の仕事をしてきました。デイサービスで勤務しており、担当してきた業務は、主に排泄介助や食事介助、レクリエーションのサポートなどです。またある程度経験を積んでからは、新人スタッフの教育なども担当してきました。
御社でも、これまでの経験を活かし、介護の実務はもちろん育成やマネジメントにも関わっていきたいと考えています。

NG回答例

私は5年間介護の仕事をしてきました。勤務していたのはデイサービスです。基本的な介護は一通りやってきたつもりです。5年も勤務していたので、最終的には新人の教育担当になっていました。


質問への回答のポイント

仕事の経験と持っているスキルを的確に伝えるためには、勤務していた介護施設の形態をはじめ、担当してきた業務内容を整理しておく必要があります。

面接時間は限られており、過去の経歴全てを伝えることは難しいので、志望する介護事業所の特色に合わせて、どの業務について話すか考えるべきです。

NG回答例のように簡潔すぎるのも良くないので、どんな業務を担当してきたのかは、整理して話すようにしましょう。
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【質問2】前職の退職理由を教えてください

前職の退職理由を聞く意図は、トラブルを抱えていないか、入社してすぐに辞めるようなことがないかを確認するためです。

健康上のトラブルや人間関係の問題がきっかけで退職している場合、「また同じような理由で辞めるかも」と思われることが多いです。

実際、前職に対して不満があった場合そのまま伝えるのではなく、前向きな退職理由に変換して話すことが大切になります!

良い回答例

前職のデイサービスは、サービスの特性上長期間通所される利用者様は少なく、頻繁に入れ替わりのある職場でした。入居型施設であれば、利用者様とよりじっくりと関わることができると考え、介護付き有料老人ホームへの転職を考えた次第です。
将来的にも介護業界で長く活躍したい思いがあったので、幅広い症例や介護度の方と接し、自分自身スキルアップがしたいと考えています。

NG回答例

前職は、人間関係に問題がある職場だったので退職することにしました。先輩との関係をうまく保てず、仕事中にトラブルになることもあったのです。いじめやパワハラに耐えられなかったので、自分らしく働ける職場を探して転職することにしました。


質問への回答のポイント
「人間関係で揉めた」「給料が安かった」「評価してくれない」など、前職の悪口や批判を伝えるのはNGです。

前職を退職したきっかけに、たとえネガティブな理由が絡んでいたとしても、面接では前向きな表現に変えて伝えることが大切です。

本音の退職理由が人間関係のトラブルであった場合でも、「よりチームワークを意識して働ける環境で仕事がしたい」と変換したり、

給料の安さや評価制度が退職理由の場合でも、「自分の成果を実感しながら働きたい」といった形で、前向きな転職であることを伝えるのがポイントになります。
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【質問3】当社に応募した志望動機を教えてください

志望動機を質問する意図は、仕事に対する熱意をはじめ「数ある求人の中でなぜ自社を選んだのか」を確認したいからです。

志望動機を的確に伝えられると、仕事内容や経営理念、求めている人物像など、求人票やホームページに書いてあることを理解した上で応募していると良い評価を受けることができます。

良い回答例

採用サイトを拝見し、御社ではレクリエーションに力を入れていることを知りました。レクリエーションを通して特に認知症のケアに取り組んでいるとのことで、より深く専門知識を学べる職場だと思い志望しました。
これまでも認知症の方と接する機会はありましたが、私自身まだまだ知識不足のところがあるので、御社での仕事を通してよりスキルアップできればと思っています。

NG回答例

勤務先が自宅からも近いので通勤が便利だと思って応募しました。あとホームページを拝見し楽しそうな職場だと思いましたし、前職での経験での経験も活かせると思ったので志望させていただきました。


質問への回答のポイント
志望動機を的確に伝えるためには、事前に応募先企業の情報を収集しておくことが大切です。

そのためにも、求人票をしっかり確認することはもちろん、採用ホームページに書いてある情報もできる限り読んでおくのが良いです。

応募先ならではの魅力、求めている人物像を把握した上で、自分の経験が活かせること、転職理由とマッチしていることを志望動機として伝えましょう!

【質問4】入社後どんな仕事をしたいか教えてください

入社後の仕事に関する質問は、目標やキャリアプランを確認する意図があります。

自分で将来のキャリアプランを立て、それに向かって行動できているかどうかは、自主性があるか、能動的に動けるかの判断基準にもなります。

良い回答例

介護付き有料老人ホームで働くのは初めてなので、まずはご入居者様に寄り添って、いち早く介護職員として独り立ちできるよう努力していきます。また将来的には、介護の現場での経験を活かしてケアマネージャーの資格取得に挑戦したいと考えています。
チャンスがあれば、管理職などのマネジメントにもチャレンジしてみたいです。

NG回答例

とにかく何でもやりたいです。今まで経験したことがないこともやって、早くスキルアップしたいと思っています。将来のことはあまり深く考えていないので、まずは目の前の仕事を真剣にこなしていくつもりです。


質問への回答のポイント
入社後の仕事に関する質問に対しては、できる限り自分の目標やキャリアプランを明確に示すことが大切です。

ざっくりとやりたいことを伝えても、「なぜ当社なのか」「別の会社でもできる」と思われてしまいます。

そのため、自分の目標やキャリアプランに対して、応募した介護事業所だからこそできることを伝えられるかどうかが評価されるポイントになります。
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【質問5】入社が決まればいつから勤務できるか教えてください

いつから勤務できるかという質問は、言葉の通り勤務スタートの時期を確認する意図があります。

実際のところ、できるだけ早く働ける人を優先的に採用する介護事業所もあります。

しかし、現職の引き継ぎや退職時期を考えると、すぐには勤務開始できない場合もあるでしょう。
「今の仕事をしっかりとやりきりたい」などの理由を伝えることで、責任感のある人物だという良い評価につながります。

また、複数の面接を同時進行している場合は、他社の選考状況を踏まえて、余裕を持って勤務開始可能日を伝えましょう。

良い回答例

◯月◯日以降であれば勤務可能です。現在前職の退職手続きを進めている段階で、◯日までには全て手続きが終了する予定です。しっかりと責任をもって今の仕事を後任に引き継ぎ、御社での業務に集中できるよう準備してまいります。

NG回答例

まだ退職届を提出していないので、いつから勤務できるか分かりません。私としては◯月ごろから勤務できればと考えています。現職の退職手続きの状況を、またお伝えさせていただければと思います。


質問への回答のポイント
トラブルを防ぐためにも、無理なスケジュールを伝えるのは避けましょう。

余裕を持って勤務開始日を伝えた方が、現職の退職手続きと、転職先への入社手続きの両方を余裕を持って行えるようになります。

また、いつから勤務できるか分からないと伝えてしまうと、働くイメージができておらず、入社意欲が低いと思われてしまいます。

そのため、自分なりに転職のタイミングを計画し、可能な限り最短で勤務開始できる日を伝えるのがポイントです!
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【質問6】残業や夜勤も対応できるか教えてください

残業や夜勤に関して質問する意図は、双方の認識の相違から問題が起こらないよう、事前に労働条件に関して確認する狙いがあります。

大前提として、募集要項に記載されている勤務条件を理解して応募しましょう。
夜勤がある職種にもかかわらず、夜勤ができないのに応募するのはお互いに不毛です。
また、残業や夜勤ができないのにできると答えてしまうと、入社後トラブルの原因となってしまいます。

体調面や家庭の事情などがあり、残業や夜勤ができない場合は、その条件にあった求人を選ぶことです。
また、できない理由やどの程度なら対応可能か伝えるようにしましょう。

良い回答例

夜勤は、求人票に記載のあった月6日程度であればシフト通りで問題ありません。残業は、基本的に平日であれば対応可能です。小学生の子どもがおり、週末はできるだけ定時で上がらせていただけると嬉しいです。

NG回答例

プライベートの時間も大切にしたいので、残業はしたくありません。また生活リズムが狂ってしまうので、夜勤もできる限り避けたいです。


質問への回答のポイント
雇用形態や施設形態によっては、夜勤はあるものとして求人票に書かれているケースもあります。
企業や残業や夜勤に対しては、基本的には積極的に協力する姿勢を見せるべきです。

求人票に残業や夜勤に関する記載があれば、それを見た上で応募してきていると採用担当者も思っています。

「日勤のみの勤務も可」の求人に応募した場合、夜勤に対応できない場合はきちんと理由を伝えればマイナス評価にはなりません。

またできない理由に関しても、ただ無理と伝えるのではなく、どういった条件であれば対応できるかを伝えた方が良い評価を得られます!
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【質問7】最後に何か質問はありますか

面接の最後に「質問はありますか」と聞かれるのは、「逆質問」と言い、入社意欲や自己PRを改めて確認し、自社への興味をはかる意図があります。

そのため、応募した段階で気になっていたことはもちろん、面接を通して気になった点などを質問するようにしましょう。

良い回答例

御社で働きながら、さらなる知識向上のために資格を取りたいと思っています。資格取得制度について、実際に取得した人がいるのかどうかなど教えていただきたいです。
また、入社する前に勉強しておいた方が良いこともあれば教えてください。

NG回答例

特に質問はありません。ぜひ御社で働きたいです。


質問への回答のポイント
逆質問は、ただ質問があるか聞かれているだけではなく、企業への興味度合いをはかるもの。
働きたい気持ちや自分の長所をアピール場面として考えるべきです。

素直に疑問に思っていることはもちろん、入社意欲や自分の長所を絡めた質問ができれば良い評価を得られます

特にないと答える場合も、「丁寧にご説明いただいたので、特にありません」などと言い換えましょう。
また、ホームページを見れば分かることを質問するのはNGです。

また給料や休日、福利厚生など、条件面のことばかり聞くのも「収入や権利にしか興味がない」と思われてしまうのでやめておきましょう。
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介護職の面接で押さえておくべき基本的なルール

ここから、介護職の面接を受ける際の基本のルールについてお伝えします。

質問に対する受け答えの内容はもちろん、話し方も採用の合否を決める重要なポイントになりますよ!
面接で話す時の基本のルール
1.明るく柔らかい表情を心がける
2.面接官と視線を合わせて話す
3.丁寧な言葉遣いでハキハキと話す
4.質問の回答は結論から話す
5.ダラダラと話さず要件を端的にまとめる
6.質問の意図を理解して話す
介護の現場では、多くの人とコミュニケーションをとることになるので、話すときの表情、自分の意思の伝え方、身振り手振りなどは要チェックされます。

面接は、初めて採用担当者と会う機会です。
好印象を与えるためにも、明るい表情でハキハキと話をするようにしましょう。

また、つい自分の話ばかりをしてしまいがちですが、結局何が言いたいのか伝わらなくなる可能性があります。
結論から先に話し、できる限り端的に要点をまとめましょう。

面接の場では緊張してしまい、うまくいかないこともあるはず。
事前に質問に対する回答を考え、話す練習をしておくのが良いですよ!
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介護職の面接を受ける際の事前準備について

それでは最後に、介護職の面接を受ける際の事前準備についてお伝えします。

介護職の面接に行く際の服装

服装に迷ったときは、スーツを着ていけば問題はありません。

介護職の面接において、服装で気をつけるべき点は「清潔感」です。
シワや汚れ、臭いなどに気をつければ、清潔感を与えることができます。

もし「カジュアルな服装でOK」と案内されたときは、襟付きのシャツ、チノパン、パンプスなどのオフィスカジュアルな服装で面接に行くようにしましょう。

Tシャツ、短パン、サンダル、派手なアクセサリーなど、ラフすぎる格好は目上の人と接する介護の現場に向いてないと判断されるのでNGです。

介護職の面接に行く際の持ち物

面接当日は、次のものを持っていくようにしましょう。
介護職の面接での持ち物
1.履歴書
2.職務経歴書
3.スマートフォン
4.筆記用具
5.印鑑
6.そのほか指定されたもの
介護職の面接は、基本的に採用担当者が履歴書や職務経歴書を見ながらお話します。

前日までに必要書類を完成させ、折れ曲がらないように気をつけて持っていくようにしましょう。

もし応募書類を事前に郵送した場合は、書いた内容を忘れないようにコピーを自分で持っておくことをおすすめします。

スマートフォンに関しては、万が一遅刻しそうになったとき、面接会場が分からなくなったときに連絡を入れるためです。
マナーモードに設定し、面接中に音が鳴らないように注意しましょう。

筆記用具や印鑑は、面接の場で書類を書く必要があるケースもあるので、念のためバッグに入れておきましょう。
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介護職の面接ではやる気や前向きさをアピールするのが大切

今回は、介護職の面接でよくある質問と回答例、また面接の基本ルールや事前準備についてお伝えしてきました。

入社するために、面接は避けては通れないので、事前に質問に対する回答を用意し、リラックスした状態で臨めるように準備しておきましょう。

また介護職においては、経験やスキル以上に、やる気や熱意を重視​して採用の合否を判断する企業が多くなっています。

ほとんどの介護事業所では教育や研修制度を設けており、入社後にスキルや知識を身につけることが可能です。

そのため、「資格も経験ないから、介護職は難しいかも…」とあきらめず、まずは応募して自分をアピールしてみることをおすすめします!

「ご入居者様に喜んでいただきたい」といった前向きな思いがあれば、未経験からでも必ず介護スタッフとして活躍していけること間違いありません。

少しでも介護の仕事に興味があれば、ぜひ応募してみてくださいね!

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